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宋名臣言行録 / 後集巻十一・王存

初修起居注即乞復唐正觀起居郎舍人職事執筆隨宰相入殿上韙其言故事左右史雖日侍便殿而欲奏事必禀中書俟㫖公因對及之即詔左右史遇侍立許直前奏事遂著為令自公始也

新字:初修起居注即乞復唐正観起居郎舎人職事執筆随宰相入殿上韙其言故事左右史雖日侍便殿而欲奏事必禀中書俟旨公因対及之即詔左右史遇侍立許直前奏事遂著為令自公始也

書き下し

初め起居注を修むるに、即ち唐の正觀の起居郎・舍人の職事を復し、筆を執りて宰相に隨いて殿に入らんことを乞う。上其の言を韙とす。故事、左右史は日々便殿に侍すと雖も、事を奏せんと欲すれば必ず中書に禀して㫖を俟つ。公對に因りて之に及ぶ。即ち詔すらく、左右史侍立に遇わば直ちに前みて事を奏するを許す、と。遂に著して令と爲す。公より始まるなり。

現代語訳

起居注(天子の言動の記録)を修めることになった当初、王存はさっそく、唐の貞観年間の起居郎・起居舎人の職務を復活させ、筆を執って宰相に従って殿中に入ることを願い出た。天子はその言葉をもっともとした。従来の慣例では、左右の史官は日々便殿に侍っていても、何かを申し上げようとすれば必ず中書省に伺いを立てて許しを待たねばならなかった。王存は拝謁の折にこのことに触れた。ただちに、左右の史官が侍立しているときは直接進み出て申し上げてよい、との詔が下った。そのまま条文として定められた。王存から始まったことである。

解説

記録する係が、記録すべき現場に入れていなかった、という話です。まず立ち会う場所を取りました。筆を執って宰相に従って殿中に入る。次に、口を封じていた手続きを外します。何かを申し上げようとすれば必ず中書省に伺いを立てて許しを待たねばならなかった。取り次ぎを一つ挟むだけで、言えることは激減します。それを撤廃させ、その場かぎりにせず条文にまでした。そのまま条文として定められた。王存から始まったことである。

この章句が説くこと

唐の正観の起居郎・舎人の職事を復し筆を執りて宰相に随いて殿に入らんことを乞う左右史は日々便殿に侍すと雖も事を奏せんと欲すれば必ず中書に禀して旨を俟つ左右史侍立に遇わば直ちに前みて事を奏するを許す遂に著して令と為す公より始まるなり記録経路

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