宋名臣言行録 / 後集巻十一・范純仁
時西邊儒帥有以威敵斥境請於公者手自荅曰大輅與柴車較逐鸞鳯與鴟梟争食連城與瓦礫相觸君子與小人闘力不惟不能勝兼亦不可勝不惟不可勝雖勝亦非也
新字:時西辺儒帥有以威敵斥境請於公者手自荅曰大輅与柴車較逐鸞鳯与鴟梟争食連城与瓦礫相触君子与小人闘力不惟不能勝兼亦不可勝不惟不可勝雖勝亦非也
書き下し
時に西邊の儒帥に威を以て敵を斥け境するを以て公に請う者有り。手ずから自ら荅えて曰く、大輅と柴車と較べ逐い、鸞鳳と鴟梟と食を爭い、連城と瓦礫と相い觸れ、君子と小人と力を闘わすは、惟だに勝つ能わざるのみならず、兼ねて亦た勝つ可からず。惟だに勝つ可からざるのみならず、勝つと雖も亦た非なりと。
現代語訳
当時、西の国境の儒者の将帥に、威をもって敵を退けて境を定めることを公に願い出る者があった。公は自ら筆を執って答えて言った。「立派な車と薪車が競い合い、鸞鳳と鴟梟が食を争い、城をつらねた宝玉と瓦礫がぶつかり合い、君子と小人が力を競うのは、ただ勝てないというだけでなく、そもそも勝ってはならないことである。ただ勝ってはならないというだけでなく、勝ったとしてもやはり間違いである」。
解説
格の違うものが張り合うことを、四つの対で並べています。そして三段で否定しました。**ただ勝てないというだけでなく。**まず、力比べでは勝てない。**そもそも勝ってはならない。**次に、勝ってはならない。土俵に上がった時点で、同じ格のものになってしまいます。**勝ったとしてもやはり間違いである。**そして勝っても間違い。勝ち負けの外に出よ、というのが答えでした。
この章句が説くこと
西辺の儒帥に威を以て敵を斥け境するを以て公に請う者有り大輅と柴車と較べ逐い鸞鳳と鴟梟と食を争う君子と小人と力を闘わすは惟だに勝つ能わざるのみならず惟だに勝つ可からざるのみならず勝つと雖も亦た非なり対抗格
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