宋名臣言行録 / 後集巻十一・范純仁
臣願陛下無深留意於邊事恐邊臣觀望要功生事結釁夷狄殘害生靈耗竭財用縻費爵賞不惟為今日目前之害又将貽他時意外之憂願陛下究孟子交鄰之道修孔子来逺之德使好生之德洽於夷狄彼将愛戴陛下如父母雖其酋首桀驁欲侵侮我疆其徒亦不為之用也
新字:臣願陛下無深留意於辺事恐辺臣観望要功生事結釁夷狄残害生霊耗竭財用縻費爵賞不惟為今日目前之害又将貽他時意外之憂願陛下究孟子交鄰之道修孔子来遠之徳使好生之徳洽於夷狄彼将愛戴陛下如父母雖其酋首桀驁欲侵侮我疆其徒亦不為之用也
書き下し
臣願わくは陛下深く意を邊事に留むる無かれ。恐らくは邊臣觀望して功を要め、事を生じて釁を夷狄に結び、生靈を殘害し財用を耗竭し爵賞を縻費せん。惟だに今日目前の害と爲るのみならず、又た將に他時意外の憂いを貽さんとす。願わくは陛下孟子の隣に交わるの道を究め、孔子の遠きを來たすの德を修め、好生の德をして夷狄に洽からしめよ。彼將に陛下を愛戴すること父母の如くならん。其の酋首は桀驁にして我が疆を侵侮せんと欲すと雖も、其の徒も亦た之が爲に用いられざるなり。
現代語訳
「臣が願いますのは、陛下が辺境の事に深く心を留められないことです。恐らく国境の臣は様子をうかがって功を求め、事を起こして夷狄と隙を結び、民の命を損ない、財を使い果たし、爵位と賞をむだに費やすでしょう。ただ今日目の前の害となるだけでなく、いつか思いがけない憂いを残すことになります。どうか陛下、孟子の隣国と交わる道を究め、孔子の遠くの者を来させる徳を修め、生を好む徳が夷狄にまで行き渡るようにしてください。彼らは陛下を父母のように慕い戴くようになりましょう。その首長が荒々しくわが境を侵し侮ろうとしても、その手下たちはそのために働かないでしょう」。
解説
上の関心が、下に何をさせるかを述べた段です。**恐らく国境の臣は様子をうかがって功を求め、事を起こして夷狄と隙を結ぶ。**天子が辺境を気にかけていると知れば、そこで功を立てれば認められると分かる。何もなければ功も立ちません。だから起こす。命じていなくても、そうなります。そして最後の一行が具体的です。**その首長が侵そうとしても、その手下たちはそのために働かないでしょう。**
この章句が説くこと
臣願わくは陛下深く意を辺事に留むる無かれ恐らくは辺臣観望して功を要め事を生じて釁を夷狄に結ぶ生霊を残害し財用を耗竭し爵賞を縻費せん其の酋首は桀驁にして我が疆を侵侮せんと欲すと雖も其の徒も亦た之が為に用いられざるなり関心功名
関連する章句
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『宋名臣言行録』後集巻十一・范純仁表の畧に云う、蓋し嘗て天下に先んじて憂え、期して聖人の學に負かず。此れ先臣の子を教うる所以にして、微臣資して以て君に事う。又た曰く、若し宣仁の誣謗未だ明らかならずんば、保佑の憂勤をして顯れざらしむ。本と權臣其の私忿を快くするを務む。泰陵の實之を當然と謂うに非ず。以て未だ流人の往愆を究めずして悉く聖恩を以て特に叙するに至る。尚お存殁をして猶お瑕疵に汚さしむ。又た復た未だ疆□の嚴を解かず。㡬ど帑藏の積を空しくす。城有らば必ず守り、地を得るも耕し難し。凡そ此の數端、願わくは聖念を留めよ。
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