宋名臣言行録 / 後集巻十・韓絳
公之入相繼王荆公之後政事有未便者賢士大夫或置不用公將更易振舉之奏古者冡宰制國用今天下財用出入宰相乃不預聞始置局中書稽考天下財用之數量入以為出援用司馬光上曰吾於光豈有所愛顧光未肯來耳
新字:公之入相継王荆公之後政事有未便者賢士大夫或置不用公将更易振舉之奏古者冡宰制国用今天下財用出入宰相乃不預聞始置局中書稽考天下財用之数量入以為出援用司馬光上曰吾於光豈有所愛顧光未肯来耳
書き下し
公の相に入るは王荊公の後を繼ぐ。政事に未だ便ならざる者有らば、賢士大夫或いは置きて用いず。公將に更易して之を振舉せんとす。奏す、古者冢宰は國用を制す。今天下の財用の出入は宰相乃ち預り聞かずと。始めて局を中書に置き、天下の財用の數を稽考し、入を量りて以て出と爲す。司馬光を援用せんとす。上曰く、吾光に於いて豈に愛しむ所有らんや。顧だ光未だ肯えて來たらざるのみと。
現代語訳
公が宰相となったのは、王安石の後を継いでのことである。政事に不都合なものがあり、賢い士大夫が用いられず放って置かれていた。公はそれを改めて振るい起こそうとした。奏上した。「古においては、冢宰が国の費用を統べました。いま天下の財の出し入れは、宰相がそもそもあずかり知りません」。はじめて局を中書に置き、天下の財の数を調べ合わせ、入るものを計って出るものとした。司馬光を引き上げて用いようとした。天子は言った。「朕は光に対して惜しむところがあろうか。ただ、光がまだ来ようとしないだけだ」。
解説
宰相の職掌に、大きな穴が空いていた話です。**いま天下の財の出し入れは、宰相がそもそもあずかり知りません。**執政の長が、国の金の流れを見ていない。だから最初にしたのが、見えるようにすることでした。**局を中書に置き、天下の財の数を調べ合わせ、入るものを計って出るものとした。**そして人を戻そうとします。天子の返事が正直でした。**朕は光に対して惜しむところがあろうか。ただ、光がまだ来ようとしないだけだ。**
この章句が説くこと
公の相に入るは王荊公の後を継ぐ古者冢宰は国用を制す今天下の財用の出入は宰相乃ち預り聞かず始めて局を中書に置き天下の財用の数を稽考し入を量りて以て出と為す財政宰相
関連する章句
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『宋名臣言行録』後集巻七・司馬光三司使は天下の財を掌る。不才にして黜くるは可なり。兩府をして其の事を侵さしむ可からず。今制置三司條例司を爲すは何ぞや。宰相は道を以て人主を佐く。尚お安んぞ例を用いん。苟くも例を用うれば則ち胥吏足れり。今看詳中書條例司を爲すは何ぞや。惠卿對うる能わず。則ち公を詆りて曰く、光は侍從と爲る。何ぞ言わざる。言いて從われずんば何ぞ去らざるやと。公作ちて答えて曰く、是れ臣の罪なりと。上曰く、相い與に是非を論ずるのみ。何ぞ是に至らんやと。
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『宋名臣言行録』後集巻十・韓絳三司使と爲る。内諸司の吏に恩澤を干むる者有り。詔して已に之を許す。公條例を執りて奏禀す。上曰く、朕條例を知らず。當に卿が爲に改むべし。後に此の等の事有らば亦た須らく執奏すべしと。三司の事は多く宮省と相い關わる。近習干請する所有れば即ち條例を語る。公未だ嘗て詭隨せず。
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『宋名臣言行録』後集巻十・韓絳是に至りて上手札もて之を取る。公具さに錄して以て進む。上學士をして詔を草して訪問せしむ。既に進み入るや、上未だ哀痛惻怛の意を見ざるを以て、手ずから詔藁を定め、密封して公に示し、公をして潤色して進めしめ、以て焉に咨訪す。王荊公條例司を領し、深く公の言を以て然りと爲す。遂に衙前の法を推し廣めて以て它の役に及ぼす。
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『宋名臣言行録』後集巻七・司馬光安石制置三司條例司を創立し、青苗・□役・水利・均輸の政を建て、提舉官四十餘員を置く。公上疏して逆め其の利害を陳ぶ。後に當に是くの如くなるべし。之を行うこと十餘年、一として公の言の如くならざるは無し。天下傳誦して、公を以て眞の宰相と爲す。田父野老と雖も皆號して司馬相公と爲し、而して婦人孺子も其の君實たるを知るなり。
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『宋名臣言行録』後集巻七・司馬光韓琦上疏して青苗の害を論ず。上感悟して其の法を罷めんと欲す。安石疾と稱して去るを求む。會ミ公を樞副に拜す。公上章して力めて辭すること六七に至りて曰く、上誠に能く制置條例司を罷め提舉官を追還し、青苗・□役等の法を行わずんば、臣を用いずと雖も臣の受くる賜は多し。然らずんば終に敢えて命を受けずと。上人を遣わして公に謂う、樞密は兵事なり。官には各ミ職有り。當に他事を以て辭と爲すべからずと。公言う、臣未だ命を受けざれば則ち猶お待從なり。事に於いて言う可からざるは無しと。安石起ちて事を視る。青苗法卒に罷まず。公も亦た卒に命を受けず。
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『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦公相位に在り、進め用うる所の人は惟だ公議の在る所を以てす。凡そ上前に薦引するも、未だ嘗て輒ち其の語を漏らさず。間ミ上に宣諭有るに因り、或いは同僚談說して、人始めて之を聞く。