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宋名臣言行録 / 後集巻九・蘇軾

通判杭州時髙麗入貢使者發幣於官吏書稱甲子公却之曰髙麗於本朝稱臣而不禀正朔吾安敢受使者亟易書稱熈寧然後受之時以為得體

新字:通判杭州時高麗入貢使者発幣於官吏書称甲子公却之曰高麗於本朝称臣而不禀正朔吾安敢受使者亟易書称熈寧然後受之時以為得体

書き下し

杭州を通判す。時に髙麗入貢す。使者幣を官吏に發するに書は甲子を稱す。公之を却けて曰く、髙麗は本朝に於いて臣と稱して正朔を稟けず。吾安んぞ敢えて受けんと。使者亟かに書を易えて熙寧を稱す。然る後に之を受く。時に以て體を得たりと爲す。

現代語訳

杭州の通判となった。当時、高麗が朝貢に来た。使者が贈り物を役人に届けるとき、その文書は干支で年を記していた。公はこれを退けて言った。「高麗は本朝に対して臣と称しながら、こちらの暦を受けていない。私がどうして受け取れようか」。使者はすぐさま文書を書き換えて熙寧の年号を用いた。そのうえでこれを受け取った。当時、これを体面にかなったこととした。

解説

受け取るかどうかを、贈り物ではなく文書の書き方で決めた条です。干支で年を書くのは、どこの暦にも属さないという意思表示になります。高麗は本朝に対して臣と称しながら、こちらの暦を受けていない。言葉と書式が食い違っている。争ったのはそこだけでした。相手の反応も速い。使者はすぐさま文書を書き換えて熙寧の年号を用いた。書き換えれば済む話だと、双方が分かっている。だから角も立ちません。

この章句が説くこと

杭州を通判す時に高麗入貢す使者幣を官吏に発するに書は甲子を称す高麗は本朝に於いて臣と称して正朔を稟けず吾安んぞ敢えて受けん使者亟かに書を易えて熙寧を称す然る後に之を受く外交年号

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