宋名臣言行録 / 後集巻八・吕公著
郎官何洵直失本部印公曰洵直誠有罪然重譴之則自今猾吏皆有以制主司矣乃薄其罪
書き下し
郎官何洵直、本部の印を失う。公曰く、洵直誠に罪有り。然れども重く之を譴めば、則ち今より猾吏皆以て主司を制する有らんと。乃ち其の罪を薄くす。
現代語訳
郎官の何洵直が、その部署の印を失った。公は言った。「洵直にはまことに罪がある。しかしこれを重く咎めれば、今後はずるい下役がみな上司を握る手を得ることになる」。そこでその罪を軽くした。
解説
三十六字です。罪の有無を争っていません。**洵直にはまことに罪がある。**争ったのは、罰の重さが何を生むかでした。**これを重く咎めれば、今後はずるい下役がみな上司を握る手を得ることになる。**印を失えば必ず重罰、と決まってしまえば、印を扱う下役が、それを使えるようになります。わざと紛れさせる、あるいは失ったことを匂わせる。罰の重さがそのまま脅しの材料になる、という読み方です。
この章句が説くこと
郎官何洵直本部の印を失う洵直誠に罪有り然れども重く之を譴めば則ち今より猾吏皆以て主司を制する有らん乃ち其の罪を薄くす処罰副作用
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