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宋名臣言行録 / 後集巻八・吕公著

温公病中與公簡曰晦叔自結髮志學仕而行之端方忠厚天下仰服埀老乃得秉政平生所藴不施於今日將何俟乎比日以來物論頗譏晦叔慎黙太過若此際復不廷争事蹉跌則入彼朋矣光自病以來悉以身付醫家事付康惟國事未有所屬今日屬於晦叔矣

新字:温公病中与公簡曰晦叔自結髪志学仕而行之端方忠厚天下仰服埀老乃得秉政平生所藴不施於今日将何俟乎比日以来物論頗譏晦叔慎黙太過若此際復不廷争事蹉跌則入彼朋矣光自病以来悉以身付医家事付康惟国事未有所属今日属於晦叔矣

書き下し

温公病中に公に簡して曰く、晦叔は結髮より學に志し、仕えて之を行い、端方忠厚にして天下仰服す。老いに垂んとして乃ち政を秉るを得たり。平生蘊む所、今日に施さずんば將に何をか俟たんや。比日以來、物論頗る晦叔の慎默太だ過ぐるを譏る。若し此の際に復た廷爭せずして事蹉跌せば、則ち彼の朋に入らん。光病みてより以來、悉く身を醫に付し家事を康に付す。惟だ國事のみ未だ屬する所有らず。今日晦叔に屬せりと。

現代語訳

司馬光が病中に公へ手紙を送って言った。「晦叔は髪を結うころから学に志し、仕えてそれを行い、正しく厚く、天下が仰ぎ服している。老いに近づいてようやく政を執ることができた。生涯蓄えてきたものを、いま施さないなら、いったい何を待つのか。近ごろ、世の議論はしきりに晦叔の慎み黙することが行き過ぎだとそしっている。もしこの折にあらためて朝廷で争わず、事が食い違ってしまえば、あちらの仲間に入れられてしまう。光は病んで以来、身はことごとく医者に預け、家の事は康に預けた。ただ国の事だけ、預ける先がなかった。今日、晦叔に預けた」。

解説

死を前にした人が、同志に宛てた手紙です。褒めた後に、そのまま注文が来ます。生涯蓄えてきたものを、いま施さないなら、いったい何を待つのか。そして世評を伝えました。世の議論はしきりに晦叔の慎み黙することが行き過ぎだとそしっている。慎み深さは徳ですが、この局面では別の意味になる。この折にあらためて朝廷で争わなければ、あちらの仲間に入れられてしまう。最後の一行が、託し方の全部です。ただ国の事だけ、預ける先がなかった。今日、晦叔に預けた。

この章句が説くこと

晦叔は結髪より学に志し仕えて之を行い端方忠厚にして天下仰服す平生蘊む所今日に施さずんば将に何をか俟たんや物論頗る晦叔の慎黙太だ過ぐるを譏る惟だ国事のみ未だ属する所有らず今日晦叔に属せり遺言慎黙

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