宋名臣言行録 / 後集巻七・司馬光
講畢賜坐戸外將出上令徙戸内左右皆避去上曰朝廷毎更一事舉朝洶洶何也公曰青苖出息平民為之尚能以蚕食下戸至饑寒流離况縣官法令之威乎惠卿曰青苖法願取則與之不願不強也公曰愚民知取債之利不知還債之害非獨縣官不強富民亦不強也臣聞作法於凉其弊猶貪作法於貪弊將若之何
新字:講畢賜坐戸外将出上令徙戸内左右皆避去上曰朝廷毎更一事舉朝洶洶何也公曰青苖出息平民為之尚能以蚕食下戸至饑寒流離況県官法令之威乎恵卿曰青苖法願取則与之不願不強也公曰愚民知取債之利不知還債之害非独県官不強富民亦不強也臣聞作法於凉其弊猶貪作法於貪弊将若之何
書き下し
講畢わりて坐を戸外に賜う。將に出でんとするに、上令して戸内に徙らしむ。左右皆避け去る。上曰く、朝廷一事を更むる毎に舉朝洶洶たるは何ぞやと。公曰く、青苗の出息は平民之を爲すすら、尚お能く下戸を蠶食して饑寒流離に至らしむ。况んや縣官の法令の威をやと。惠卿曰く、青苗法は願わば則ち之を與え、願わずんば強いざるなりと。公曰く、愚民は債を取るの利を知りて債を還すの害を知らず。獨り縣官の強いざるのみに非ず、富民も亦た強いざるなり。臣聞く、法を凉に作るも其の弊は猶お貪。法を貪に作らば、弊は將に之を如何せんと。
現代語訳
講義が終わって、戸の外に席を賜った。出ようとすると、天子は命じて戸の内に移らせた。側近はみな避けて去った。天子は言った。「朝廷が一つの事を改めるたびに、朝廷じゅうが騒がしくなるのはなぜか」。司馬光は言った。「青苗の利息は、一般の民が同じことをするだけでも、下層の家を食い荒らして飢えと寒さと流離に至らせます。まして役所の法令の威をもってすればなおさらです」。呂恵卿は言った。「青苗法は、望むなら与え、望まないなら強いません」。司馬光は言った。「愚かな民は、借りるときの利を知って、返すときの害を知りません。役所が強いないというだけでなく、富める民も強いないのです。臣は聞いております、手加減して法を作っても、その弊害は貪欲になる、と。貪欲に法を作ったなら、弊害はいったいどうなるでしょうか」。
解説
この章句が説くこと
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説苑・善說齊の宣王社山に出獵す。社山の父老十三人相與に王を勞う。王曰く、「父老苦しめり。」左右に謂いて父老に田租を賜わずして、父老皆拜す。閭丘先生拜せず。王曰く、「父老以て少しと爲すか。」左右に謂いて復た父老に徭役無きを賜う。父老皆拜す。閭丘先生又た拜せず。王曰く、「拜する者は去れ、拜せざる者は前め。」曰く、「寡人今父老の幸いにして之を勞うるを觀て、故に父老に田租無きを賜い、父老皆拜す。先生獨り拜せず。寡人自ら少しと爲すを以て、故に父老に徭役無きを賜い、父老皆拜す。先生又た獨り拜せず。寡人過ち有ること無きを得んか。」閭丘先生對えて曰く、「惟だ大王の來遊すと聞き、大王を勞う所以なり。大王に壽を得んことを望み、大王に富を得んことを望み、大王に貴を得んことを望むなり。」王曰く、「天の殺生時有り、寡人の與り得る所に非ず、以て先生を壽せしむる無し。倉廩實つと雖も、以て災害に備う、以て先生を富ましむる無し。大官缺くる無く、小官卑賤なり、以て先生を貴くする無し。」閭丘先生對えて曰く、「此れ人臣の敢えて望む所に非ざるなり。願わくは大王良富の家の子、修行有る者を選びて以て吏と爲し、其の法度を平らかにせよ。此くの如くんば臣少しく以て壽を得べし。春秋冬夏、之を振うに時を以てし、百姓を煩擾する無かれ。是くの如くんば臣少しく以て富を得べし。願わくは大王令を出だし、少き者をして長を敬わしめ、長ずる者をして老を敬わしめよ。是くの如くんば臣少しく以て貴を得べし。今大王幸いに臣に田租無きを賜えば、然らば則ち倉廩將に虛しからんとす。臣に徭役無きを賜えば、然らば則ち官府使う無からん。此れ固より人臣の敢えて望む所に非ざるなり。」齊王曰く、「善し。願わくは先生を請いて相と爲さん。」