宋名臣言行録 / 後集巻六・王安石
子雱字元澤性險惡凡公所為不近人情者皆雱所教吕惠卿輩奴事之公置條例司初用程顥伯淳為屬伯淳賢士一日盛暑公與伯淳對語雱囚首跣足手攜婦人冠以出問公曰所言何事公曰以新法數為人沮與程君議雱箕踞以坐大言曰梟韓琦富弼之頭于市則新法行矣公曰兒誤矣伯淳曰方與參政論國事子弟不可預姑退雱不樂去伯淳自此與公不合
新字:子雱字元沢性険悪凡公所為不近人情者皆雱所教呂恵卿輩奴事之公置条例司初用程顥伯淳為属伯淳賢士一日盛暑公与伯淳対語雱囚首跣足手攜婦人冠以出問公曰所言何事公曰以新法数為人沮与程君議雱箕踞以坐大言曰梟韓琦富弼之頭于市則新法行矣公曰児誤矣伯淳曰方与参政論国事子弟不可預姑退雱不楽去伯淳自此与公不合
書き下し
子雱、字は元澤、性險惡なり。凡そ公の爲す所の人情に近からざる者は皆雱の教うる所なり。呂惠卿輩奴のごとく之に事う。公條例司を置くの初め、程顥伯淳を用いて屬と爲す。伯淳は賢士なり。一日盛暑、公伯淳と對語す。雱囚首跣足、手に婦人の冠を攜えて以て出で、公に問いて曰く、言う所は何事ぞと。公曰く、新法の數ミ人の沮む所と爲るを以て、程君と議すと。雱箕踞して坐し、大言して曰く、韓琦・富弼の頭を市に梟せば則ち新法行われんと。公曰く、兒誤れりと。伯淳曰く、方に參政と國事を論ず。子弟は預かる可からず。姑く退けと。雱樂しまずして去る。伯淳此れより公と合わず。
現代語訳
子の王雱、字は元沢は、性質が険しく悪辣であった。およそ王安石が行ったことのうち、人情から遠いものは、みな王雱が入れ知恵したものである。呂恵卿らは奴僕のようにこれに仕えた。王安石が条例司を置いたはじめ、程顥を属官として用いた。程顥は賢士である。ある日の酷暑、王安石は程顥と向き合って話していた。王雱は髪を振り乱し裸足で、手に婦人の冠を提げて出てきて、王安石に問うた。「何の話をしているのですか」。王安石は言った。「新法がたびたび人に阻まれるので、程君と議しているのだ」。王雱は足を投げ出して座り、大声で言った。「韓琦と富弼の首を市に晒せば、新法は行われますよ」。王安石は言った。「わが子よ、それは誤りだ」。程顥は言った。「いま参政と国事を論じている。子弟が加わるべきではない。しばらく退がりなさい」。王雱は不快げに去った。程顥はこれ以来、王安石と合わなくなった。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「君子に三樂有り。而して天下に王たるは、與り存せず。父母俱に存し、兄弟故無きは、一の樂しみなり。仰いで天に愧ぢず、俯して人に怍ぢざるは、二の樂しみなり。天下の英才を得て、之を教育するは、三の樂しみなり。君子に三樂有り。而して天下に王たるは、與り存せず。」
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論語・為政篇孟武伯孝を問う。子曰く、「父母は唯其の疾(やまい)を之憂う。」
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孟子・離婁章句上孟子曰く、「天下大いに悅びて將に己に歸せんとす。天下悅びて己に歸するを視ること、猶ほ草芥のごときは、惟だ舜をのみ然りと為す。親に得られずんば、以て人と為す可からず。親に順われずんば、以て子と為す可からず。舜、親に事うるの道を盡くして、瞽瞍、豫びを底せり。瞽瞍、豫びを底して天下化せり。瞽瞍、豫びを底して、天下の父子為る者定まれり。此を之れ大孝と謂う。」
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孔子家語・大婚解孔子遂に言いて曰く、「昔三代の明王、必ず妻子を敬せり。蓋し道有り、妻なる者は、親の主なり。子なる者は、親の後なり。敢えて敬せざらんや。是の故に君子は敬せざる無し。敬なる者は、身を敬するを大と為す。身なる者は、親の支なり。敢えて敬せざらんや。其の身を敬せずんば、是れ其の親を傷るなり。其の親を傷れば、是れ本を傷るなり。其の本を傷れば、則ち支之に従いて亡ぶ。三者は、百姓の象なり。身は以て身に及び、子は以て子に及び、妃は以て妃に及ぶ。君此の三者を修むるを以てすれば、則ち大化天下に愾かる。昔太王の道や、此くの如くにして国家順えり。」
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孟子・盡心章句上孟子曰く、「君子の物に於けるや、之を愛すれども仁せず。民に於けるや、之を仁すれども親しまず。親を親しみて民を仁し、民を仁して物を愛す。」
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『塩鉄論』孝養篇文學曰く、善く養う者は必ずしも芻豢ならず、善く供服する者は必ずしも錦繡ならず。己の有する所を以て盡く其の親に事うるは、孝の至りなり。故に匹夫の勤勞も、猶お以て禮に順うに足り、菽を歠り水を飲むも、以て其の敬を致すに足る。孔子曰く、『今の孝は、是れ能く養うと為す、敬せずんば、何を以て別たんや』と。故に上孝は志を養い、其の次は色を養い、其の次は體を養う。其の禮を貴びて、其の養を貪らず、禮順い心和せば、養備わらずと雖も、可なり。易に曰く、『東鄰の牛を殺すは、西鄰の禴祭に如かざるなり』と。故に富貴にして禮無きは、貧賤の孝悌に如かず。閨門の內に孝を盡くし、閨門の外に悌を盡くし、朋友の道に信を盡くす、三者は、孝の至りなり。家に居りて理まる者は、財を積むを謂うに非ず、親に事えて孝なる者は、鮮肴を謂うに非ず、亦た顏色を和らげ、意を承けて禮義を盡くすのみ。