孟子 / 盡心章句上
孟子曰、君子之於物也、愛之而弗仁。於民也、仁之而弗親。親親而仁民、仁民而愛物。
書き下し
孟子曰く、「君子の物に於けるや、之を愛すれども仁せず。民に於けるや、之を仁すれども親しまず。親を親しみて民を仁し、民を仁して物を愛す。」
現代語訳
孟子は言った。 「君子は草木禽獣などの物には、大切にしかわいがるが、人間に対するような愛情の念は懐かない。民に対しては、愛情の念は懐くが、親族に対するような親しみは懐かない。親族を親しんで民を愛し、民を愛して物を大切にする。これが仁の正しい順序である。」
解説
誰にでも平等に愛情を注ぐことは理想的ですが、現実には限界があります。孟子は、まず最も身近な家族や親族を大切にし、その愛を地域の人々、さらには周囲の自然や物にまで広げていくという「愛情の順序」を説いています。現代でも、身近な人を大切にできないまま遠くの誰かを救おうとするのは不自然です。まずは自分の足元である家族との絆を深め、その心のゆとりを他者への思いやりへと広げていくことが、健全な人間関係の基盤となります。
この章句が説くこと
愛情の順序身近な人思いやり家族
関連する章句
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『都鄙問答』卷之二・或人親へ仕之事ヲ問之段答ふ、汝遊興に出づること、邂逅のことゆへ、父母を夜更けまで待たせ置きても、苦しからずと云へり。先づ親に事まつる者は、夕には遅く寝、朝には早く起きて、父母の安否を問ふは子の道なり。それに汝は、身の遊興の為に、寒暑の苦しみもかまはず、夜更くるまで両親を待たせ置き、快く遊興せられ候や。総て待つことは、退屈なるものなり。それは待つ計りのことなり。両親は汝の帰られし顔を見るまでは、酒などが過ぎはせぬか、喧嘩にてもしはせぬか、寒くは無きか、風ひきはせまひかと、色々品々に思ひ煩ふ。且に内徒の者の心までを推しはかり、是ほど夜更しせらるゝを、両親は、いふことは成らぬかと思ふべきとの心遣ひ、又下女や小者は草臥れて、最早八つも過ぐるなど、つぶやくを聞く時は、心を傷ることも多かるべし。其苦しみ傷るゝことを知らず、父母を夜更くるまで待たせおき、翌日は勝手に寝らるゝとは、いかに愚かなればとて、左様の不孝をなし、父母の志を害ふことぞや。扠又汝は、家業のことは、如何心得いられ候や。
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史記 衛将軍驃騎列伝然れども少くして侍中たり、貴くして、士を省みず。其の軍に従ふや、天子為に太官をして数十乗を齎らしむ。既に還るに、重車に粱肉を余し棄つ。而して士に饑うる者有り。其の塞外に在るや、卒糧に乏しく、或いは自ら振るふ能はず。而るに驃騎は尚ほ域を穿ちて蹋鞠す。事此の類多し。大将軍の人と為りは仁善退譲にして、和柔を以て自ら上に媚ぶ。然れども天下未だ称する有らざるなり。驃騎将軍は四年の軍より後三年、
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