孟子 / 盡心章句上
孟子曰、君子之於物也、愛之而弗仁。於民也、仁之而弗親。親親而仁民、仁民而愛物。
書き下し
孟子曰く、「君子の物に於けるや、之を愛すれども仁せず。民に於けるや、之を仁すれども親しまず。親を親しみて民を仁し、民を仁して物を愛す。」
現代語訳
孟子は言った。 「君子は草木禽獣などの物には、大切にしかわいがるが、人間に対するような愛情の念は懐かない。民に対しては、愛情の念は懐くが、親族に対するような親しみは懐かない。親族を親しんで民を愛し、民を愛して物を大切にする。これが仁の正しい順序である。」
解説
誰にでも平等に愛情を注ぐことは理想的ですが、現実には限界があります。孟子は、まず最も身近な家族や親族を大切にし、その愛を地域の人々、さらには周囲の自然や物にまで広げていくという「愛情の順序」を説いています。現代でも、身近な人を大切にできないまま遠くの誰かを救おうとするのは不自然です。まずは自分の足元である家族との絆を深め、その心のゆとりを他者への思いやりへと広げていくことが、健全な人間関係の基盤となります。
この章句が説くこと
愛情の順序身近な人思いやり家族
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