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宋名臣言行録 / 後集巻六・王安石

又青苗雖名取二分之息其實亦與民間無異葢小民既有非不得已而請者又有非不得已用之且如請錢千或遇親舊於州縣間須有酒食之費不然亦須置小小不急之物只使二百錢已可比民間四分之息又請納時往來之用與官中門戸之賂遺至少亦不下百錢況又有胥吏追呼之煩非貨不行而公家期限又與私間不同而民之畏法者至舉債以輸官往往㳂此遂破蕩産業者固多矣此所以有害而無利也

新字:又青苗雖名取二分之息其実亦与民間無異葢小民既有非不得已而請者又有非不得已用之且如請銭千或遇親旧於州県間須有酒食之費不然亦須置小小不急之物只使二百銭已可比民間四分之息又請納時往来之用与官中門戸之賂遺至少亦不下百銭況又有胥吏追呼之煩非貨不行而公家期限又与私間不同而民之畏法者至舉債以輸官往往㳂此遂破蕩産業者固多矣此所以有害而無利也

書き下し

又た青苗は名に二分の息を取ると雖も、其の實も亦た民間と異なる無し。蓋し小民は既に已むを得ざるに非ずして請う者有り、又た已むを得ざるに非ずして之を用うる者有り。且つ錢千を請うが如きは、或いは州縣の間に親舊に遇わば、須らく酒食の費有るべし。然らずんば亦た須らく小小の不急の物を置くべし。只だ二百錢を使わしむれば已に民間の四分の息に比す可し。又た請納の時の往來の用と官中の門戸の賂遺と、至って少なきも亦た百錢を下らず。況んや又た胥吏追呼の煩わしき有り。貨に非ざれば行われず。而して公家の期限は又た私間と同じからず。而して民の法を畏るる者は債を舉げて以て官に輸するに至る。往往にして此に沿いて遂に産業を破蕩する者は固より多し。此れ害有りて利無き所以なり。

現代語訳

そのうえ青苗は名目上は二分の利息を取るとはいえ、実際は民間と変わらない。思うに、貧しい民には、やむを得ないわけでもないのに申し込む者があり、やむを得ないわけでもないのに使ってしまう者がある。そのうえ、たとえば千銭を借りるとして、州県のあたりで知り合いに出会えば、酒食の費用が要る。そうでなくても、ちょっとした急ぎでない物を買うことになる。ただ二百銭を使わせるだけで、もう民間の四分の利息に匹敵する。そのうえ申し込みと納入のときの往復の費用と、役所の門番への付け届けとが、少なく見ても百銭を下らない。まして下級役人が呼びつける煩わしさもある。金を渡さなければ事が進まない。そして官の期限は、民間のものとは違って厳しい。法を畏れる民は、官に納めるために借金をするまでになる。しばしばそこから、ついに家産を潰す者がもとより多い。これが害があって利がない理由である。

解説

制度上の利率と、実際に払う額の差を積み上げた計算です。**ただ二百銭を使わせるだけで、もう民間の四分の利息に匹敵する。**道中の酒代、買い物、往復の費用、門番への付け届け、役人の呼び出し。どれも制度の帳簿には載りません。**金を渡さなければ事が進まない。**そして期限だけが官の厳しさで来ます。**官に納めるために借金をするまでになる。**借金を減らすための制度で、借金が増えていました。

この章句が説くこと

又た青苗は名に二分の息を取ると雖も其の実も亦た民間と異なる無し只だ二百銭を使わしむれば已に民間の四分の息に比す可し又た請納の時の往来の用と官中の門戸の賂遺と至って少なきも亦た百銭を下らず民の法を畏るる者は債を舉げて以て官に輸するに至る手数料実費

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