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宋名臣言行録 / 後集巻六・王安石

司馬温公從龎穎公辟為太原府通判尚未有子夫人為買一妾公殊不顧夫人疑有所忌也一日教其妾俟我出汝自飾至書院中冀公一顧也妾如其言公訝曰夫人出汝安得至此亟遣之穎公知之對僚屬咨其賢二公不好聲色不愛官職不殖貨利皆同平生相善至論新法不合始著書絶交矣

新字:司馬温公従龐穎公辟為太原府通判尚未有子夫人為買一妾公殊不顧夫人疑有所忌也一日教其妾俟我出汝自飾至書院中冀公一顧也妾如其言公訝曰夫人出汝安得至此亟遣之穎公知之対僚属咨其賢二公不好声色不愛官職不殖貨利皆同平生相善至論新法不合始著書絶交矣

書き下し

司馬溫公、龐穎公に從いて辟せられて太原府通判と爲る。尚お未だ子有らず。夫人爲に一妾を買う。公殊に顧みず。夫人忌む所有るかと疑う。一日、其の妾に教えて、我が出づるを俟ちて汝自ら飾り書院の中に至れと。公の一顧を冀うなり。妾其の言の如くす。公訝りて曰く、夫人出づ。汝安んぞ此に至るを得たるやと。亟かに之を遣る。穎公之を知り、僚屬に對して其の賢を咨す。二公は聲色を好まず、官職を愛せず、貨利を殖やさざること皆同じ。平生相い善し。新法を論ずるに至りて合わず、始めて書を著して交わりを絶つ。

現代語訳

司馬光は龐籍に招かれて太原府の通判となった。まだ子がなかった。夫人が一人の妾を買った。司馬光はまるで顧みなかった。夫人は、何か憚るところがあるのかと疑った。ある日、その妾に教えて、自分が外出したら着飾って書斎に行くように、と言った。司馬光が一目でも見てくれることを願ったのである。妾はそのとおりにした。司馬光はいぶかしんで言った。「夫人は出かけている。お前はどうしてここに来られたのか」。すぐに立ち去らせた。龐籍はこれを知り、属僚に向かってその賢さを褒めた。二人はどちらも、色を好まず、官職を欲しがらず、財利を殖やさない点でみな同じであった。日ごろ仲がよかった。新法を論ずるに至って合わず、はじめて書を著して交わりを絶った。

解説

二人の似た逸話を並べて、最後の一行で落としています。二人はどちらも、色を好まず、官職を欲しがらず、財利を殖やさない点でみな同じであった。日ごろ仲がよかった。私的な徳のところで、まったく同じでした。新法を論ずるに至って合わず、はじめて書を著して交わりを絶った。人柄が近いからといって、政の見方が一致するとは限らない。むしろ、どちらも私心がないからこそ、譲りようがなくなりました。

この章句が説くこと

夫人為に一妾を買う公殊に顧みず夫人出づ汝安んぞ此に至るを得たるや亟かに之を遣る二公は声色を好まず官職を愛せず貨利を殖やさざること皆同じ新法を論ずるに至りて合わず始めて書を著して交わりを絶つ共通清廉

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