宋名臣言行録 / 後集巻六・王安石
吕誨論公十事公力求去位上為出吕公而韓魏公亦上疏論青苗法乞罷諸路提舉官奏至公稱疾乞分司上不許公入謝
新字:呂誨論公十事公力求去位上為出呂公而韓魏公亦上疏論青苗法乞罷諸路提舉官奏至公称疾乞分司上不許公入謝
書き下し
呂誨、公の十事を論ず。公力めて位を去るを求む。上爲に呂公を出だす。而して韓魏公も亦た上疏して青苗法を論じ、諸路の提舉官を罷めんことを乞う。奏至りて公疾と稱して分司を乞う。上許さず。公入りて謝す。
現代語訳
呂誨が王安石の十か条を論じた。王安石は力を尽くして位を去ることを求めた。天子はそのために呂誨を外に出した。そのうえ韓琦もまた上疏して青苗法を論じ、諸路の提挙官を廃止するよう願い出た。その奏が届くと、王安石は病と称して閑職を願い出た。天子は許さなかった。王安石は参内して礼を述べた。
解説
弾劾されるたびに辞職を申し出る、という形が二度続きます。**呂誨が十か条を論じた。王安石は力を尽くして位を去ることを求めた。****韓琦の奏が届くと、王安石は病と称して閑職を願い出た。**そして天子の反応も二度とも同じでした。片方は弾劾した側を外し、片方は辞職を許さない。**天子はそのために呂誨を外に出した。****天子は許さなかった。**辞意を示すことが、結果として批判者を排除する動きになっています。
この章句が説くこと
呂誨公の十事を論ず公力めて位を去るを求む上為に呂公を出だす韓魏公も亦た上疏して青苗法を論じ諸路の提舉官を罷めんことを乞う奏至りて公疾と称して分司を乞う上許さず弾劾辞意
関連する章句
-
『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦未だ幾ならずして、御史中丞呂公著も亦た青苗の便に非ざるを言う。安石之を黜けんと欲す。上曰く、須らく別に事に坐して出でしむべしと。既にして又た曰く、公著言う、韓琦近ごろ章疏有り、朝廷も亦た當に聽納すべし。古より執政若し藩臣と間隙を生ぜば、晉陽の甲を舉げて以て君側の惡を逐う者有るに至ると。安石遽かに曰く、只だ此れ逐う可しと。公著遂に大臣を誣いて晉陽の甲を舉げんと欲すに坐し、罷めて蔡州を知らしむ。諫官孫覺之を聞きて曰く、此の言は覺嘗て之を奏す。今公著を貶するは誤りなりと。公既に言を以て權臣に忤らい、又た公著の告詞に因る所を明らかに坐す。公益ミ恐悚し、遂に疾を以て章を上りて徐州を知らんことを乞う。章四たび上る。神宗内侍李舜舉を遣わして之を慰諭す。乃ち止む。
-
『宋名臣言行録』後集巻七・司馬光韓琦上疏して青苗の害を論ず。上感悟して其の法を罷めんと欲す。安石疾と稱して去るを求む。會ミ公を樞副に拜す。公上章して力めて辭すること六七に至りて曰く、上誠に能く制置條例司を罷め提舉官を追還し、青苗・□役等の法を行わずんば、臣を用いずと雖も臣の受くる賜は多し。然らずんば終に敢えて命を受けずと。上人を遣わして公に謂う、樞密は兵事なり。官には各ミ職有り。當に他事を以て辭と爲すべからずと。公言う、臣未だ命を受けざれば則ち猶お待從なり。事に於いて言う可からざるは無しと。安石起ちて事を視る。青苗法卒に罷まず。公も亦た卒に命を受けず。
-
『宋名臣言行録』後集巻五・吕誨神宗は天資節儉なり。老宮人の言を得るに因りて、祖宗の時の妃嬪公主の月俸甚だ微なるを知り、其の及ぶ可からざるを嘆ず。安石獨り曰く、陛下果たして能く財を理めば、天下を以て自ら奉ずと雖も可なりと。帝始めて青苗助役の法を主とするに意有り。安石の術は類ミ此くの如し。故に呂誨の彈章に曰く有り、外に朴野を示し、中に狡詐を懷くと。
-
『宋名臣言行録』後集巻五・吕誨權御史中丞たる時、侍臣の官を棄てて家居する者有り。王安石なり。朝野其の材を稱す。天子引きて大政に參ぜしむ。衆皆人を得たるを喜ぶ。獻可獨り以て然らずと爲す。居ること無何、衆を棄て己に任じ、常を厭い奇を爲し、多く祖宗の法を變じ、專ら汲汲として民財を歛む。愛信して引拔する所、時に或いは其の人に非ず。天下大いに失望す。獻可屢ミ爭うも得る能わず。乃ち抗章して悉く其の過失を條し、且つ曰く、天下の蒼生を誤るは必ず此の人なり。如し久しく廟堂に居らば、必ず安靜の理無からんと。上使いを遣わして諭解す。執ること之れ愈ミ堅し。乃ち中丞を罷めて出でて鄧州を知す。
-
『宋名臣言行録』後集巻六・王安石公遂に力めて去るを求む。已にして公卒に位を去り、惠卿を薦めて己に代う。命の下るの日、京師大風雨。土席を翳うこと寸を逾ゆ。俠又た上書して言う、安石は本と惠卿の誤らしむる所と爲りて此に至る。今復た扳援して以て前非を遂げ、復た宗社の爲に計らずと。
-
『宋名臣言行録』後集巻六・王安石公政を秉り天下の務めを更新す。而して宿德舊人の論議多く協わず。遂に新進を選用し、待するに不次を以てす。故に一時の政事は日ならずして皆舉がる。而して兩禁・臺閣・内外の要權は新進に非ざる莫し。三司の市易を論ずるに洎び、呂參政指して法を沮むと爲す。公信じて以て然りと爲し、堅く罷相を乞う。既に出づるに、呂嘉問・張諤公を持して泣く。公之を慰めて曰く、已に呂惠卿を薦めたりと。二子涙を收む。