宋名臣言行録 / 後集巻五・吕誨
獻可正色曰君實亦為此言邪安石雖有時名上意所向然好執偏見不通物情輕信難回喜人佞已聴其言則美施于用則疎若在侍從猶或可容置諸宰輔則天下必受其弊矣
新字:献可正色曰君実亦為此言邪安石雖有時名上意所向然好執偏見不通物情軽信難回喜人佞已聴其言則美施于用則疎若在侍従猶或可容置諸宰輔則天下必受其弊矣
書き下し
獻可色を正して曰く、君實も亦た此の言を爲すか。安石は時名有り、上の意の向かう所と雖も、然れども好んで偏見を執り、物情に通ぜず。輕信にして囘し難く、人の己に佞するを喜ぶ。其の言を聽けば則ち美なるも、用に施せば則ち疎なり。若し侍從に在らば猶お或いは容る可し。諸を宰輔に置かば則ち天下は必ず其の弊を受けんと。
現代語訳
呂誨は顔つきを改めて言った。「君実、あなたまでそんなことを言うのか。安石は当代の評判があり、天子の意も向いてはいる。しかし好んで偏った見方に固執し、物事の実情に通じていない。軽々しく信じて考えを変えにくく、人が自分にへつらうのを喜ぶ。その言葉を聞けば立派だが、実務に当てはめると粗い。もし侍従の職にあるなら、まだ容れておけるだろう。しかしこれを宰輔の位に置けば、天下は必ずその弊害を受けることになる」。
解説
人物評が、四つの性質と一つの結論に整理されています。**偏った見方に固執し、物事の実情に通じていない。軽々しく信じて考えを変えにくく、人が自分にへつらうのを喜ぶ。**そして、言葉と実務のずれを一句で言い当てました。**その言葉を聞けば立派だが、実務に当てはめると粗い。**さらに、否定で終わらせていません。置く場所の話にしています。**もし侍従の職にあるなら、まだ容れておける。しかしこれを宰輔の位に置けば。**韓琦が「翰林学士なら余りある」と言ったのと、同じ形です。
この章句が説くこと
安石は時名有り上の意の向かう所と雖も然れども好んで偏見を執り物情に通ぜず軽信にして囘し難く人の己に佞するを喜ぶ其の言を聴けば則ち美なるも用に施せば則ち疎なり人物評言と実
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