宋名臣言行録 / 後集巻五・吕誨
葢自至和以後仁宗在位乆熟知人情偽與羣臣才性之善惡故雖委事大臣而聴用臺諌官廣開言路使耳目無壅蔽大臣有不法者輙去之故任事者雖専亦不能自肆
新字:葢自至和以後仁宗在位乆熟知人情偽与羣臣才性之善悪故雖委事大臣而聴用台諌官広開言路使耳目無壅蔽大臣有不法者輙去之故任事者雖専亦不能自肆
書き下し
蓋し至和以後、仁宗在位久しく、人情の僞と羣臣の才性の善惡とを熟知す。故に事を大臣に委ぬと雖も、而れども臺諫官を聽用して廣く言路を開き、耳目をして壅蔽無からしむ。大臣に不法有る者は輒ち之を去らしむ。故に事に任ずる者は專らなりと雖も、亦た自ら肆にする能わず。
現代語訳
思うに至和以後、仁宗は位にあること久しく、人の情の偽りと、臣下たちの才と性の善悪を知り尽くしていた。だから事は大臣に委ねながらも、御史台と諫院の官の言を聴き用いて広く言論の路を開き、耳と目が塞がれないようにした。大臣に不法があれば、そのつどこれを去らせた。だから事に当たる者は権限を専らにしていても、勝手放題にすることはできなかった。
解説
委任と監視を同時に成り立たせた仕組みの説明です。委ねることは徹底しています。**事は大臣に委ねながらも。**ただし、別の経路を開けたままにしました。**御史台と諫院の官の言を聴き用いて広く言論の路を開き、耳と目が塞がれないようにした。**そして実際に使いました。**大臣に不法があれば、そのつどこれを去らせた。**任せる権限を狭めずに、任せた人が暴走しない状態を作る。**権限を専らにしていても、勝手放題にすることはできなかった。**
この章句が説くこと
仁宗在位久しく人情の偽と羣臣の才性の善悪とを熟知す故に事を大臣に委ぬと雖も而れども台諫官を聴用して広く言路を開く大臣に不法有る者は輒ち之を去らしむ故に事に任ずる者は専らなりと雖も亦た自ら肆にする能わず委任監視
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