宋名臣言行録 / 前集巻六・吕夷簡
寳元中御史府乆闕中丞一日李淑對仁宗偶問以憲長乆虚之故李奏曰此乃夷簡欲用蘇紳已許紳矣上疑之異時因問公曰何故乆不除中丞公奏曰中丞者風憲之長自宰相而下皆得彈擊其選用當出聖意臣等豈敢詮量之仁宗頷之
新字:寳元中御史府乆闕中丞一日李淑対仁宗偶問以憲長乆虚之故李奏曰此乃夷簡欲用蘇紳已許紳矣上疑之異時因問公曰何故乆不除中丞公奏曰中丞者風憲之長自宰相而下皆得弾擊其選用当出聖意臣等豈敢詮量之仁宗頷之
書き下し
寳元中、御史府、乆しく中丞を闕く。一日、李淑對す。仁宗、偶ま問うに憲長の乆しく虚しき故を以てす。李奏して曰く、此れ乃ち夷簡、蘇紳を用いんと欲す。已に紳に許せりと。上、之を疑う。異時、因りて公に問いて曰く、何の故に乆しく中丞を除せざるやと。公奏して曰く、中丞は風憲の長なり。宰相より而下、皆な彈擊するを得。其の選用は當に聖意より出づべし。臣等、豈に敢えて之を詮量せんやと。仁宗之を頷く。
現代語訳
宝元年間、御史府に長らく中丞が欠けていた。ある日、李淑が拝謁した。仁宗はたまたま、監察の長が長く空席である理由を尋ねた。李淑は奏上した。「それは呂夷簡が蘇紳を用いようとして、もう蘇紳に約束しているからです」。帝はそれを疑った。後日、そこで公に尋ねた。「どうして長く中丞を任じないのか」。公は奏上した。「中丞は風紀と監察の長です。宰相より下は、みな弾劾することができます。その選任は当然、聖上の御意から出るべきです。臣らがどうしてそれを見計らってよいものでしょうか」。仁宗は頷いた。
解説
空席の理由を疑われて、答えた条です。**中丞は風紀と監察の長です。宰相より下は、みな弾劾することができます。**つまり自分も弾劾される側だ、と先に置いている。**その選任は当然、聖上の御意から出るべきです。臣らがどうしてそれを見計らってよいものでしょうか。**自分を監視する人を自分で選べば、監視になりません。空席のままにしていた理由が、そのまま筋になっています。
この章句が説くこと
中丞は風憲の長なり宰相より而下皆な弾擊するを得其の選用は当に聖意より出づべし臣等豈に敢えて之を詮量せんや監察人事自制
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