宋名臣言行録 / 後集巻五・趙抃
吳越大饑民死者過半公盡所以救荒之術發廪勸分而以家貲先之生者得食病者得藥死者得藏下令修城使民食其力故越人雖飢而不怨
新字:呉越大饑民死者過半公尽所以救荒之術発廪勧分而以家貲先之生者得食病者得薬死者得蔵下令修城使民食其力故越人雖飢而不怨
書き下し
吳越大いに饑え、民の死する者半ばを過ぐ。公救荒の術とする所を盡くす。廩を發き分を勸め、而して家貲を以て之に先んず。生くる者は食を得、病む者は藥を得、死する者は藏るるを得たり。令を下して城を修め、民をして其の力を食ましむ。故に越人饑うと雖も怨まず。
現代語訳
呉越が大いに飢え、死んだ民は半数を超えた。趙抃は飢饉を救うためのあらゆる手を尽くした。倉を開き、富める者に分け与えるよう勧め、そのうえで自分の家財をもって先んじた。生きている者は食を得、病んだ者は薬を得、死んだ者は葬られることができた。命令を下して城を修理させ、民が自分の働きによって食べられるようにした。だから越の人は飢えていても怨まなかった。
解説
救荒の手が四つ並んでいます。倉を開く、富者に供出を勧める、自分の家財を先に出す。ここまでは施しです。四つ目が違いました。命令を下して城を修理させ、民が自分の働きによって食べられるようにした。必要でもない工事を起こして、賃金の形で配った。同じ量を渡すのでも、施されるのと稼ぐのとでは、受け取った側に残るものが違います。だから最後の一行が来ます。越の人は飢えていても怨まなかった。
この章句が説くこと
呉越大いに饑え民の死する者半ばを過ぐ吳越大いに饑え民の死する者半ばを過ぐ廩を発き分を勧め而して家貲を以て之に先んず令を下して城を修め民をして其の力を食ましむ故に越人饑うと雖も怨まず救荒
関連する章句
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『宋名臣言行録』前集巻七・范仲淹皇祐二年、吴中大いに饑う。殍殣、路に枕す。時に公、浙西を領す。粟を發し及び民を募りて存餉す。術を為すこと甚だ備わる。吳人、競渡を喜び、佛事を為すを好む。公乃ち民の競渡を縱にす。太守、日々に出でて湖上に宴す。春より夏に至るまで、居民、巷を空しくして出遊す。又た諸佛寺の主首を召して之に諭して曰く、饑歳は工價至って賤し。以て大いに土木の役を興す可しと。是に於て諸寺の工作鼎興す。又た敖倉・吏舍を新たにす。日に千夫を役す。監司、杭州の荒政を恤れまず、嬉遊節あらず、及び公私の興造、民力を傷耗するを奏劾す。公乃ち自ら宴遊及び興造する所以を條叙す。皆な有餘の財を發して以て貧者に惠まんと欲す。貿易・飲食・工技・服力の人、公私に食を仰ぐ者、日に慮んぞ數萬人ならざらんや。荒政の施、此より大なるは莫し。是の歳、兩浙、惟だ杭州のみ晏然として、民流徙せず。皆な公の惠なり。
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