宋名臣言行録 / 後集巻四・蔡襄
慶厯初永叔安道王素俱除諌官公以詩賀之曰御筆新除三諌官喧然朝野競相歡當年流落丹心在自古忠良得路難必有謨謀禆帝右直須風采動朝端世間萬事俱塵土留取功名久逺看三人者以其詩薦於上尋亦除諌官
新字:慶厯初永叔安道王素倶除諌官公以詩賀之曰御筆新除三諌官喧然朝野競相歓当年流落丹心在自古忠良得路難必有謨謀禆帝右直須風采動朝端世間万事倶塵土留取功名久遠看三人者以其詩薦於上尋亦除諌官
書き下し
慶暦の初め、永叔・安道・王素倶に諫官を除せらる。公詩を以て之を賀して曰く、御筆新たに除す三諫官、喧然として朝野競いて相い歡ぶ。當年流落するも丹心在り、古より忠良路を得ること難し。必ず謨謀有りて帝の右を禆けん、直だ須らく風采朝端を動かすべし。世間の萬事は倶に塵土、留め取れ功名久遠に看んと。三人なる者其の詩を以て上に薦む。尋いで亦た諫官を除せらる。
現代語訳
慶暦のはじめ、欧陽脩・余靖・王素がそろって諫官に任じられた。蔡襄は詩を作ってこれを祝って言った。「御筆が新たに三人の諫官を任じ、朝廷も民間もにぎやかに競って喜んでいる。あのとき落ちぶれてもまごころは残っていた。古より忠良の士が道を得るのは難しい。必ず謀りごとがあって帝の右を助けるだろう、その風采は朝廷の中枢を動かすにちがいない。世間の万事はどれも塵と土、功名は久しく残るのを見届けよ」。三人はその詩を天子に推薦した。ほどなく蔡襄もまた諫官に任じられた。
解説
祝いの詩を書いた人が、その詩によって同じ職に就いた話です。**三人はその詩を天子に推薦した。ほどなく蔡襄もまた諫官に任じられた。**推薦したのが、祝われた当人たちだったところが面白い。詩の中身も、単なるお祝いではありません。**あのとき落ちぶれてもまごころは残っていた。古より忠良の士が道を得るのは難しい。**前の条で四人が連座した経緯を踏まえています。処分から復帰までを見てきた人の祝辞でした。
この章句が説くこと
慶暦の初め永叔安道王素倶に諫官を除せらる当年流落するも丹心在り古より忠良路を得ること難し世間の万事は倶に塵土留め取れ功名久遠に看ん三人なる者其の詩を以て上に薦む尋いで亦た諫官を除せらる祝辞推薦
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