宋名臣言行録 / 後集巻三・張方平
蓋朝廷之重輕則不在此誠使正人在上與物無私而舉動適當下無以議之而朝廷重矣安在使下不得議哉下情不上通此亦人主之深患也可則從之否則違之豈害於重哉西漢之初専任功臣侯者如絳灌之流不可謂不賢至使賈誼董仲舒皆至死不得用事偏則害生故曰張公得其一不得其二也
新字:蓋朝廷之重軽則不在此誠使正人在上与物無私而舉動適当下無以議之而朝廷重矣安在使下不得議哉下情不上通此亦人主之深患也可則従之否則違之豈害於重哉西漢之初専任功臣侯者如絳灌之流不可謂不賢至使賈誼董仲舒皆至死不得用事偏則害生故曰張公得其一不得其二也
書き下し
蓋し朝廷の重輕は則ち此に在らず。誠に正人をして上に在り、物と私無く、舉動適當ならしめば、下以て之を議する無くして朝廷重からん。安んぞ下をして議するを得ざらしむるに在らんや。下情の上に通ぜざるは、此れ亦た人主の深患なり。可なれば則ち之に從い、否なれば則ち之に違う。豈に重きに害あらんや。西漢の初め、專ら功臣に任ず。侯なる者は絳・灌の流の如し。賢ならずと謂う可からず。而して賈誼・董仲舒をして皆死に至るまで用事するを得ざらしむるに至る。偏なれば則ち害生ず。故に曰く、張公は其の一を得て其の二を得ざるなりと。
現代語訳
思うに、朝廷が重いか軽いかは、そこにあるのではない。まことに正しい人を上に置き、物事に私心なく、振る舞いが適切であれば、下には議論すべきところがなくなって、朝廷は重くなる。どうして、下に議論させないことにその理由があろうか。下の実情が上に通じないのは、これもまた君主の深い患いである。よければ従い、よくなければ違えばよい。それがどうして重さを損なうだろうか。前漢のはじめ、もっぱら功臣に任せた。諸侯となった者は絳侯や灌嬰の類である。賢くないとは言えない。それでいて賈誼や董仲舒を、みな死ぬまで用いられないままにしてしまった。偏れば害が生じる。だから、張方平はその一面を得て、もう一面を得ていない、と言うのである。
解説
議論の結論です。重さの出どころを、封じることから中身へ移しました。**正しい人を上に置き、物事に私心なく、振る舞いが適切であれば、下には議論すべきところがなくなって、朝廷は重くなる。**議論が出ないのは結果であって、手段ではない。**どうして、下に議論させないことにその理由があろうか。**そして受け止め方も簡単でした。**よければ従い、よくなければ違えばよい。**最後に、片方に寄った時代の実例を置きます。**賈誼や董仲舒を、みな死ぬまで用いられないままにしてしまった。偏れば害が生じる。**
この章句が説くこと
誠に正人をして上に在り物と私無く舉動適当ならしめば下以て之を議する無くして朝廷重からん安んぞ下をして議するを得ざらしむるに在らんや下情の上に通ぜざるは此れ亦た人主の深患なり偏なれば則ち害生ず議論権威
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