宋名臣言行録 / 後集巻三・吳奎
神宗問政府地震之變曽公曰隂盛上曰誰為隂曽公曰臣者君之隂婦者夫之隂夷狄者中國之隂皆宜戒之上問公公曰但為小人黨盛耳上不懌
新字:神宗問政府地震之変曽公曰陰盛上曰誰為陰曽公曰臣者君之陰婦者夫之陰夷狄者中国之陰皆宜戒之上問公公曰但為小人党盛耳上不懌
書き下し
神宗政府に地震の變を問う。曾公曰く、陰盛なりと。上曰く、誰か陰と爲すと。曾公曰く、臣は君の陰、婦は夫の陰、夷狄は中國の陰なり。皆宜しく之を戒むべしと。上公に問う。公曰く、但だ小人の黨盛んなるのみと。上懌ばず。
現代語訳
神宗が政府に地震の異変について問うた。曾公亮は言った。「陰が盛んなのです」。天子は言った。「誰が陰なのか」。曾公亮は言った。「臣は君に対する陰、婦は夫に対する陰、夷狄は中国に対する陰です。いずれも戒めるべきです」。天子は呉奎に問うた。呉奎は言った。「ただ小人の党が盛んなだけです」。天子は不機嫌になった。
解説
同じ問いに、二つの答えが並びます。片方は網羅的でした。**臣は君に対する陰、婦は夫に対する陰、夷狄は中国に対する陰です。いずれも戒めるべきです。**すべてを挙げれば、誰も傷つきません。そのかわり、何も指していない。もう一方は十字です。**ただ小人の党が盛んなだけです。**天変を口実にしているのは同じですが、行き先が一点に絞られている。反応が正直に記録されました。**天子は不機嫌になった。**
この章句が説くこと
神宗政府に地震の変を問う曽公曰く陰盛なり臣は君の陰婦は夫の陰夷狄は中国の陰なり皆宜しく之を戒むべし但だ小人の党盛んなるのみ上懌ばず天変比喩
関連する章句
-
説苑・善說客梁王に謂いて曰く、「惠子の事を言うや譬を善くす。王をして譬うる無からしめば、則ち言うこと能わじ。」王曰く、「諾。」明日見えて惠子に謂いて曰く、「願わくは先生の事を言うは則ち直言せよ、譬うる無かれ。」惠子曰く、「今此こに人有りて彈を知らざるに、『彈の狀は何の若きか』と曰わば、應えて『彈の狀は彈の如し』と曰わば、諭らんか。」王曰く、「未だ諭らざるなり。」「是に於て更に應えて『彈の狀は弓の如くにして竹を以て弦と爲す』と曰わば、則ち知らんか。」王曰く、「知るべし。」惠子曰く、「夫れ說く者は固より其の知る所を以て、其の知らざる所を諭し、人をして之を知らしむ。今王『譬うる無かれ』と曰わば、則ち不可なり。」王曰く、「善し。」
-
人物志・九徵猶ほ火日の外を照らして、內を見る能はず、金水の內に映じて、外に光る能はざるがごとし。
-
戦国策・謂公叔曰乘舟公叔に謂いて曰く、「舟に乘るに、舟漏れて塞がざれば、則ち舟沈まん。漏舟を塞ぎて、陽侯の波を輕んずれば、則ち舟覆らん。今公自ら薛公に辯ずるを以て秦を輕んずるは、是れ漏舟を塞ぎて陽侯の波を輕んずるなり、願わくは公之を察せよ。」
-
孫子・勢篇故に戦いを善くする者の勢は、円石を千仞の山より転ずるが如きなり。
-
呂氏春秋・用眾①善く學ぶ者は、齊王の雞を食らうが若きなり。必ず其の跖を食らうこと數十にして而る後足る。足らざると雖も、猶ほ跖有るが若し。
-
人物志・釋爭気を交えて疾く争う者は、口を易えて自ら毀るを為すなり。辞を並べて説を競う者は、手を貸して以て自ら毆つを為すなり。