宋名臣言行録 / 後集巻二・富弼
郭后廢范仲淹争之貶知睦州公上言朝廷一舉而獲二過縱不能復后宜還仲淹以來忠言
新字:郭后廃范仲淹争之貶知睦州公上言朝廷一舉而獲二過縦不能復后宜還仲淹以来忠言
書き下し
郭后廢せられ、范仲淹之を爭いて貶せられて睦州を知る。公上言す、朝廷は一擧にして二過を獲たり。縱い后を復す能わざるも、宜しく仲淹を還して以て忠言を來たすべしと。
現代語訳
郭皇后が廃され、范仲淹がこれに反対して睦州の知事に貶められた。富弼は上言した。「朝廷は一つの挙で二つの過ちを得ました。たとえ皇后を復することができないにせよ、仲淹を戻して、それによって忠言が来るようにすべきです」。
解説
三十六字の上言ですが、勘定の仕方が要点です。世間は皇后の廃立を争っていました。富弼は、そこにもう一件が乗ったと数えます。朝廷は一つの挙で二つの過ちを得ました。皇后を廃したことと、それに反対した人を退けたこと。二つ目のほうは、まだ取り返せます。だから提案は現実的でした。たとえ皇后を復することができないにせよ、仲淹を戻すべきです。理由も本人の名誉ではありません。それによって忠言が来るようにすべきです。諫めた人を罰した記憶は、次に誰も諫めない状態を作ります。
この章句が説くこと
郭后廃せられ范仲淹之を争いて貶せられて睦州を知る朝廷は一挙にして二過を獲たり縦い后を復す能わざるも宜しく仲淹を還して以て忠言を来たすべし諫言過ち諫臣
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