宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦
公天性清簡獨觀書文晝夜不倦餘暇則喜書札素愛顔魯公書而加以遒徤自成一家端重剛勁類其為人
新字:公天性清簡独観書文昼夜不倦余暇則喜書札素愛顔魯公書而加以遒徤自成一家端重剛勁類其為人
書き下し
公は天性清簡なり。獨り書文を觀ること晝夜倦まず。餘暇には則ち書札を喜ぶ。素より顔魯公の書を愛し、而して加うるに遒健を以てし、自ら一家を成す。端重剛勁にして、其の人と爲りに類す。
現代語訳
韓琦は生まれつき清らかで簡素であった。ひとり書物を読むことは昼夜に倦むことがなかった。余暇には手紙を書くのを喜んだ。もとから顔真卿の書を愛し、それに力強さを加えて、自ら一家をなした。端正で重みがあり、剛く勁い書きぶりは、その人となりによく似ていた。
解説
四十二字で、この巻の人物像を一つの物に落としています。手本にしたのは顔真卿でした。安史の乱に節を守った人の書です。ただ真似ただけではありません。**それに力強さを加えて、自ら一家をなした。**そして最後の一行が、この巻ぜんぶの評になっています。**端正で重みがあり、剛く勁い書きぶりは、その人となりによく似ていた。**声も顔色も動かさなかった人の筆跡が、端重剛勁だった。作ったものが、作った人に似てしまうのは避けられません。
この章句が説くこと
公は天性清簡なり独り書文を観ること昼夜倦まず素より顔魯公の書を愛し而して加うるに遒健を以てし自ら一家を成す端重剛勁にして其の人と為りに類す書人柄
関連する章句
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『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦公の姿貌は英特、鬚髯美しく、骨骼清聳、眉目森秀たり。圖繪天下に傳わる。人以謂えらく、髙山大岳のごとし。之を望めば氣象雄傑なるも、微細を包育し、雲雨を畜泄し、寶怪を藏匿す。蓋し自然なりと。
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『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦公は惟だ小人を容るるに務め、善惡白黑大いには分かたず。故に小人の之を忌むこと亦た少なし。范・富・歐・尹の如きは、嘗て君子小人を分かたんと欲す。故に小人の忌怨日に至り、朋黨も亦た起こる。諸公の斥逐せらるるに方り、獨り公のみ安んず。後に諸公を扶持して復た起たしむるは、皆公の力なり。