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宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦

公謂處事不可有心有心則不自然不自然則擾太原土風喜射故民間有弓箭社琦在太原不禁亦不驅故人情自得亦可寓兵備於其間後宋相繼政頗著心處之下令籍為部伍仍湏用角弓太原人貧素用木弓自此有賣牛買弓者人始騷然矣此出於有心也

新字:公謂処事不可有心有心則不自然不自然則擾太原土風喜射故民間有弓箭社琦在太原不禁亦不駆故人情自得亦可寓兵備於其間後宋相継政頗著心処之下令籍為部伍仍須用角弓太原人貧素用木弓自此有売牛買弓者人始騷然矣此出於有心也

書き下し

公謂う、事を處するに心有る可からず。心有れば則ち自然ならず。自然ならざれば則ち擾る。太原の土風は射を喜ぶ。故に民間に弓箭社有り。琦太原に在りて禁ぜず、亦た驅らず。故に人情自得す。亦た兵備を其の間に寓す可し。後に宋相繼ぎて政をとり、頗る心を著けて之を處す。令を下して籍して部伍と爲し、仍りて須らく角弓を用うべしとす。太原の人は貧しく、素より木弓を用う。此れより牛を賣りて弓を買う者有り。人始めて騷然たり。此れ有心より出づるなりと。

現代語訳

韓琦は言った。「事を処理するのに、意図があってはならない。意図があれば自然でなくなる。自然でなければ乱れる。太原の土地柄は弓射を好む。だから民間に弓箭社があった。琦は太原にいたとき、禁じもせず、また駆り立てもしなかった。だから人々の気持ちは落ち着いていた。それでいて、その中に軍備を寄せておくこともできた。後に宋某が続いて政をとり、ずいぶん意図をこめてこれを処理した。命令を下して名簿に登録して部隊に組み、そのうえ角の弓を用いよとした。太原の人は貧しく、もとは木の弓を用いていた。これ以来、牛を売って弓を買う者が出た。人々ははじめて騒がしくなった。これは意図があったことから出たのである」。

解説

同じ弓箭社に、二人の長官が別のことをしました。韓琦は何もしていません。**禁じもせず、また駆り立てもしなかった。**それで二つが両立していました。**人々の気持ちは落ち着き、それでいて、その中に軍備を寄せておくこともできた。**後任は制度にしました。名簿に登録し、部隊に組み、装備を指定した。良い施策に見えます。結果が最後の二行です。**牛を売って弓を買う者が出た。人々ははじめて騒がしくなった。**自然に立っていたものを制度に載せると、載せた分の負担が誰かの牛になって出てきます。

この章句が説くこと

事を処するに心有る可からず心有れば則ち自然ならず琦太原に在りて禁ぜず亦た駆らず故に人情自得す令を下して籍して部伍と為し仍りて須らく角弓を用うべしとす此れより牛を売りて弓を買う者有り人始めて騷然たり自然制度

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