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宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦

公嘗言仁廟議配享清議皆與沂公而不與申公誠意不可欺如此又曰頃時丁冦立朝聞天下一善言皆歸之萊公未必盡出萊公也聞一不善事必歸之晉公未必盡出晉公也盖天下之善惡争歸焉人之修身養誠意不可不謹

新字:公嘗言仁廟議配享清議皆与沂公而不与申公誠意不可欺如此又曰頃時丁寇立朝聞天下一善言皆帰之萊公未必尽出萊公也聞一不善事必帰之晉公未必尽出晉公也盖天下之善悪争帰焉人之修身養誠意不可不謹

書き下し

公嘗て言う、仁廟の配享を議するに、清議皆沂公に與して申公に與せず。誠意の欺く可からざること此くの如しと。又た曰く、頃時丁・寇の朝に立つや、天下の一善言を聞かば皆之を萊公に歸す。未だ必ずしも盡くは萊公より出でざるなり。一不善事を聞かば必ず之を晉公に歸す。未だ必ずしも盡くは晉公より出でざるなり。蓋し天下の善惡は爭いて焉に歸す。人の身を修め誠意を養うは、謹まざる可からずと。

現代語訳

韓琦はかつて言った。「仁宗の廟に誰を配して祀るかを議したとき、公の議論はみな王曾に賛成して、呂夷簡には賛成しなかった。まことの心が欺けないのは、このとおりである」。またこう言った。「先ごろ丁謂と寇準が朝廷に立っていたとき、天下で一つ善い言葉を聞けば、みなそれを寇準のものとした。必ずしも全部が寇準から出たわけではない。一つ善くない事を聞けば、必ずそれを丁謂のものとした。必ずしも全部が丁謂から出たわけではない。思うに、天下の善も悪も、争ってそこへ帰していく。人が身を修め、まことの心を養うことは、慎まないわけにいかない」。

解説

評判というものの仕組みを、実例で説明した条です。同じ時期に朝廷に立った二人のうち、片方には善い話ばかりが、もう片方には悪い話ばかりが集まりました。**必ずしも全部が寇準から出たわけではない。必ずしも全部が丁謂から出たわけではない。**出所を確かめずに、人々は寄せていく。**天下の善も悪も、争ってそこへ帰していく。**だから結論は、評判を管理せよ、ではありませんでした。**人が身を修め、まことの心を養うことは、慎まないわけにいかない。**寄せられる側の器のほうを整えよ、という話です。

この章句が説くこと

仁廟の配享を議するに清議皆沂公に与して申公に与せず天下の一善言を聞かば皆之を萊公に帰す一不善事を聞かば必ず之を晉公に帰す天下の善悪は争いて焉に帰す人の身を修め誠意を養うは謹まざる可からず評判誠意

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