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言志四録 / 南洲手抄

喪己斯喪人。喪人斯喪物。

書き下し

己を喪へば斯に人を喪ふ。人を喪へば斯に物を喪ふ。

現代語訳

自分を見失えば、そこで人との関わりも失う。人との関わりを失えば、そこで物事も失う。

解説

すべての土台は「己」だと一斎は説きます。自分の芯、すなわち本然の自己を見失った人は、他者と正しく向き合えなくなり、やがて人望を失う。人を失えば、事業も財も成り立たなくなる——己・人・物は、この順で連鎖して崩れていきます。裏を返せば、外の成果を求める前に、まず自分を確立せよということです。人間関係や仕事のつまずきの根を、環境や相手ではなく自分の内側に探す視点を与えてくれます。物事がうまく回らないときほど噛みしめたい、因果の順序を説いた一条です。

この章句が説くこと

自己確立人望因果修養

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