宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦
公在魏府僚屬路拯者就案呈有司事而狀尾㤀書名公即以袖覆之仰首與語稍稍潛巻以授之
新字:公在魏府僚属路拯者就案呈有司事而状尾㤀書名公即以袖覆之仰首与語稍稍潜巻以授之
書き下し
公魏府に在り。僚屬の路拯なる者、案に就きて有司の事を呈す。而して狀の尾に名を書くを忘る。公即ち袖を以て之を覆い、首を仰げて與に語り、稍稍潛かに卷きて以て之に授く。
現代語訳
韓琦が魏府にあったとき、属僚の路拯という者が、机に向かって役所の案件を差し出した。ところが書状の末尾に署名するのを忘れていた。韓琦はすぐ袖でこれを覆い、顔を上げて相手と話をしながら、少しずつそっと巻いて、それを渡し返した。
解説
三十八字の、ほとんど動作だけの条です。落ち度は明らかでした。指摘すれば一秒で済みます。韓琦がしたのは三つの動きでした。**すぐ袖でこれを覆い、顔を上げて相手と話をしながら、少しずつそっと巻いて、それを渡し返した。**まず人の目から隠し、次に相手の注意を自分の顔に向け、そのあいだに巻いて返しています。相手は自分の机で気づくことになります。誰にも知られず直せて、恥をかいた記憶も残りません。指摘の速さより、直りやすさを取った動き方です。
この章句が説くこと
状の尾に名を書くを忘る公即ち袖を以て之を覆う首を仰げて与に語り稍稍潜かに巻きて以て之に授く配慮恥部下
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