宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦
與同館王拱辰御史蕭定基同發解開封府舉人二公時有爭喧公安坐幕中閱試巻如不聞拱辰忿不助已詣公室謂公曰此中習宰相氣度耶公和顔謝之
新字:与同館王拱辰御史蕭定基同発解開封府舉人二公時有争喧公安坐幕中閲試巻如不聞拱辰忿不助已詣公室謂公曰此中習宰相気度耶公和顔謝之
書き下し
同館の王拱辰・御史の蕭定基と同じく開封府の舉人を發解す。二公時に爭喧有り。公幕中に安坐して試卷を閲し、聞かざるが如し。拱辰、己を助けざるを忿り、公の室に詣りて公に謂いて曰く、此の中にて宰相の氣度を習うかと。公和顔して之を謝す。
現代語訳
同じ館の王拱辰、御史の蕭定基とともに、開封府の受験者の予備試験を担当した。二人はときに言い争って騒がしくなった。韓琦は幕の中に落ち着いて座り、答案を読んでいて、まるで聞こえていないかのようであった。王拱辰は自分に加勢しないのを憤り、韓琦の部屋にやって来て言った。「ここで宰相の風格でも練習しておられるのか」。韓琦は和やかな顔でこれを詫びた。
解説
争いに加わらないことは、味方をしないことでもあります。だから恨まれました。王拱辰は自分に加勢しないのを憤った。そして皮肉が出ます。ここで宰相の風格でも練習しておられるのか。中立を、格好つけと読み替えた言い方です。ここで理由を説明すれば、また一つ議論が増えます。韓琦は説明しませんでした。和やかな顔でこれを詫びた。詫びる筋合いはないところで詫びている。加わらなかったことも、詫びたことも、どちらも同じ姿勢から出ています。
この章句が説くこと
二公時に争喧有り公幕中に安坐して試巻を閲し聞かざるが如し拱辰己を助けざるを忿る此の中にて宰相の気度を習うか公和顔して之を謝す中立皮肉
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