師導古典を学びたいすべての人に

宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦

夫契丹素為敵國因疑起事不得不然亦其善自為謀者也今横使再至初示偃蹇以探伺朝廷况代北初與雄州素有定界若優容而與之虜情無厭浸淫不許虜遂持此以為已直縱未大舉勢必漸擾諸邉卒隳盟好

新字:夫契丹素為敵国因疑起事不得不然亦其善自為謀者也今横使再至初示偃蹇以探伺朝廷況代北初与雄州素有定界若優容而与之虜情無厭浸淫不許虜遂持此以為已直縦未大舉勢必漸擾諸邉卒隳盟好

書き下し

夫れ契丹は素より敵國爲り。疑いに因りて事を起こすは、然らざるを得ず。亦た其の善く自ら爲に謀る者なり。今橫使再び至り、初め偃蹇を示して以て朝廷を探伺す。況んや代北は初め雄州と素より定界有り。若し優容して之に與えば、虜情厭く無く、浸淫せん。許さざれば、虜遂に此を持して以て已の直と爲す。縱い未だ大舉せざるも、勢い必ず漸く諸邊を擾し、卒に盟好を隳らん。

現代語訳

そもそも契丹はもとより敵国です。疑いによって事を起こすのは、そうならざるを得ないことであり、また彼らが自分のためによく謀っているということでもあります。いま横柄な使者がふたたび来て、はじめは傲然と構えて朝廷の様子を探っております。まして代北はもともと雄州とのあいだに定まった境界があります。もし寛大に扱って与えれば、契丹の欲には限りがなく、じわじわと侵してくるでしょう。許さなければ、契丹はこれを持ち出して自分のほうが正しいとするでしょう。たとえ大挙して攻めて来ないにせよ、勢いは必ず次第に諸方の国境を騒がせ、ついには盟約と友好を壊すことになります。

解説

選択肢を二つとも潰してみせる段です。**与えれば、契丹の欲には限りがなく、じわじわと侵してくる。許さなければ、これを持ち出して自分のほうが正しいとする。**どちらを選んでも良くならない。ここで多くの議論は、どちらがましかの比べ合いに入ります。韓琦はそこへ行きません。相手の側の事情も先に認めています。**疑いによって事を起こすのは、そうならざるを得ないことであり、彼らが自分のためによく謀っているということでもある。**土俵の上で勝とうとせず、土俵そのものを作り直す。答えは後の段に出ます。

この章句が説くこと

夫れ契丹は素より敵国為り疑いに因りて事を起こすは然らざるを得ず若し優容して之に与えば虜情厭く無く浸淫せん許さざれば虜遂に此を持して以て已の直と為す勢い必ず漸く諸辺を擾し卒に盟好を隳らん外交二択

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる