宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦
公再奏曰臣詳制置司䟽駁事件即將臣元奏要切之語多從刪去唯舉大概用偏辭曲說為阻難及引周禮國服為息之說文其繆妄上以欺罔聖聽下以愚弄天下之人將使無復敢言其非者臣不勝痛憤至再有辨列
新字:公再奏曰臣詳制置司䟽駁事件即将臣元奏要切之語多従刪去唯舉大概用偏辞曲説為阻難及引周礼国服為息之説文其繆妄上以欺罔聖聴下以愚弄天下之人将使無復敢言其非者臣不勝痛憤至再有弁列
書き下し
公再び奏して曰く、臣、制置司の疏駁の事件を詳らかにするに、即ち臣が元奏の要切の語を將て多く刪り去るに從い、唯だ大概を舉げ、偏辭曲說を用いて阻難と爲す。及び周禮の國服を息と爲すの說を引きて、其の繆妄を文る。上は以て聖聽を欺罔し、下は以て天下の人を愚弄し、將に復た敢えて其の非を言う者無からしめんとす。臣痛憤に勝えず、再びするに至りて辨列有り。
現代語訳
韓琦はふたたび奏上して言った。「臣が制置司の反駁した文書をつぶさに見ますに、臣の元の上奏の肝心な言葉の多くを削り去り、ただ大まかなところだけを挙げ、偏った言葉と曲がった説を用いて難癖としております。そのうえ周礼の『国服をもって息と為す』の説を引いて、その誤りを飾り立てております。上は天子のお耳を欺き、下は天下の人を愚弄し、もはや誰もその非を口にできないようにしようとしている。臣は痛憤に堪えず、二度目にあたって弁別を並べます」。
解説
反論の中身に入る前に、反論のされ方を問題にした条です。**臣の元の上奏の肝心な言葉の多くを削り去り、ただ大まかなところだけを挙げた。**要旨だけを引いて反駁すれば、どんな議論でも粗く見せられます。しかもその粗い形が全国に配られている。だから韓琦は、まず引用の欠落を指摘しました。そのうえで、相手が持ち出した権威に狙いを定めます。**周礼の『国服をもって息と為す』の説を引いて、その誤りを飾り立てている。**次の段から、その一句を原典で洗い直しにかかります。
この章句が説くこと
臣が元奏の要切の語を将て多く刪り去るに従い唯だ大概を舉ぐ偏辞曲説を用いて阻難と為す周礼の国服を息と為すの説を引きて其の繆妄を文る将に復た敢えて其の非を言う者無からしめんとす引用反論
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