宋名臣言行録 / 前集巻十・胡瑗
侍講當召對例須先就閣門習儀侍講曰吾平生所讀書即事君之禮也何以習為閣門奏上令就舟次習之侍講固辭上亦不之强人皆謂山野之人必失儀及登對乃大稱旨上謂左右曰胡瑗進退周旋舉合古禮
新字:侍講当召対例須先就閣門習儀侍講曰吾平生所読書即事君之礼也何以習為閣門奏上令就舟次習之侍講固辞上亦不之強人皆謂山野之人必失儀及登対乃大称旨上謂左右曰胡瑗進退周旋舉合古礼
書き下し
侍講、召對に當たりて、例として須らく先ず閣門に就きて儀を習うべし。侍講曰く、吾が平生讀む所の書は、即ち君に事うるの禮なり。何ぞ習うを以て爲さんと。閣門奏す。上、舟次に就きて之を習わしむ。侍講固く辭す。上も亦た之を强いず。人皆謂う、山野の人、必ず儀を失わんと。對に登るに及び、乃ち大いに旨に稱う。上、左右に謂いて曰く、胡瑗の進退周旋、擧げて古禮に合うと。
現代語訳
胡瑗が召されて天子に応対することになったとき、慣例では先に閣門司へ行って作法の稽古をしなければならなかった。胡瑗は言った。「私が日ごろ読んでいる書物こそが、君に仕える礼そのものです。どうして改めて稽古などしましょうか」。閣門司はこれを上奏した。天子は、では舟着き場で稽古せよと言った。胡瑗は固く辞退した。天子も強いなかった。人はみな、山里育ちの人だから必ず作法を外すだろうと言い合った。ところがいざ対面に臨むと、たいそう意にかなった。天子は左右の者に言った。「胡瑗の進み退き、立ち居ふるまいは、すべて古礼に合っている」。
解説
予行演習を断った条です。断り方に理屈があります。私が日ごろ読んでいる書物こそが、君に仕える礼そのものです。形式の稽古を、学んできた中身のほうで置き換えている。天子が場所を変えて譲っても、固く辞退した。周りは全員が失敗を予想しました。山里育ちの人だから必ず作法を外すだろう。結果は逆で、天子が進み退き、立ち居ふるまいがすべて古礼に合っていると言っています。
この章句が説くこと
吾が平生読む所の書は即ち君に事うるの礼なり人皆謂う山野の人必ず儀を失わんと胡瑗の進退周旋挙げて古礼に合う礼本番実力
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