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宋名臣言行録 / 前集巻九・孫甫

初元昊反河西契丹亦以兵近邉謀棄約任事者於西方益禁兵二十萬北方益土兵亦二十萬又益禁兵四十指揮及羣盗張海等刼京西江淮皆警是時巳更用大臣矣又令天下益禁兵公言曰天下所以大困在浮費而浮費之廣者兵為甚今不能損又可益之邪且兵巳百萬矣不能止盗而但欲多兵豈可謂知所先後哉不報於是極論古今養兵多少之利害以聞語詆大臣尤切

新字:初元昊反河西契丹亦以兵近邉謀棄約任事者於西方益禁兵二十万北方益土兵亦二十万又益禁兵四十指揮及羣盗張海等劫京西江淮皆警是時巳更用大臣矣又令天下益禁兵公言曰天下所以大困在浮費而浮費之広者兵為甚今不能損又可益之邪且兵巳百万矣不能止盗而但欲多兵豈可謂知所先後哉不報於是極論古今養兵多少之利害以聞語詆大臣尤切

書き下し

初め元昊、河西に反す。契丹も亦た兵を以て邉に近づき、約を棄てんことを謀る。事に任ずる者、西方に於て禁兵二十萬を益す。北方も土兵を益すこと亦た二十萬。又た禁兵四十指揮を益す。及び羣盗張海等、京西を刼す。江淮皆な警む。是の時、巳に更めて大臣を用うるなり。又た天下に令して禁兵を益さしむ。公言いて曰く、天下の大いに困しむ所以は浮費に在り。而して浮費の廣き者は兵を甚だしと爲す。今、損する能わず。又た之を益す可けんや。且つ兵、巳に百萬なり。盗を止むる能わずして、但だ兵を多くせんと欲す。豈に先後する所を知ると謂う可けんやと。報ぜられず。是に於て極めて古今の兵を養うの多少の利害を論じて以て聞す。語、大臣を詆ること尤も切なり。

現代語訳

はじめ趙元昊が河西で叛いた。契丹もまた兵を国境に近づけ、盟約を破ろうと謀った。事に当たった者は、西方で禁軍二十万を増やした。北方でも土着の兵を増やすこと二十万。さらに禁軍四十指揮を増やした。そして群盗の張海らが京西を掠めた。江淮はみな警戒した。このときには、もう大臣を入れ替えていた。それでも天下に命じて禁軍を増やさせた。公は言った。「天下がひどく苦しんでいるわけは、無駄な費えにある。そして無駄な費えの大きいものは、兵がとりわけひどい。いま減らせないでいる。そのうえ増やしてよいものか。そもそも兵はもう百万である。盗賊を止められないでいて、ただ兵を多くしようとしている。それで事の先後を知っていると言えようか」。返答は無かった。そこで古今の兵を養う多少の利害を論じ尽くして奏上した。言葉が大臣をそしることがとりわけ激しかった。

解説

増やす一方の兵を、止めようとした条です。数え方が要でした。天下がひどく苦しんでいるわけは無駄な費えにある。無駄な費えの大きいものは兵がとりわけひどい。いま減らせないでいる。そのうえ増やしてよいものか。そして現実を突きつけます。兵はもう百万である。盗賊を止められないでいて、ただ兵を多くしようとしている。足りないから増やす、という反射に対して、足りていないのは数ではないと言っています。

この章句が説くこと

天下の大いに困しむ所以は浮費に在り而して浮費の広き者は兵を甚だしと為す且つ兵巳に百万なり盗を止むる能わずして但だ兵を多くせんと欲す豈に先後する所を知ると謂う可けんや財政増員順序

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