宋名臣言行録 / 前集巻九・余靖
慶歴三年上増置諫官以開廣言路親筆公姓名除右正言公感激奮勵遇事輙言無所回避是年太白犯嵗星於太㣲端門之右公論之曰金火罰星皆主兵喪及饑葢木爲徳金爲刑惟金沴木五行所忌願陛下責躬修徳以謝天變
新字:慶歴三年上増置諫官以開広言路親筆公姓名除右正言公感激奮勵遇事輙言無所回避是年太白犯歳星於太㣲端門之右公論之曰金火罰星皆主兵喪及饑葢木為徳金為刑惟金沴木五行所忌願陛下責躬修徳以謝天変
書き下し
慶歴三年、上、諫官を増置して以て言路を開廣す。親筆もて公の姓名を書して右正言に除す。公、感激奮勵し、事に遇えば輙ち言いて回避する所無し。是の年、太白、嵗星を太㣲・端門の右に犯す。公、之を論じて曰く、金・火の罰星は皆な兵・喪及び饑を主る。葢し木を徳と爲し、金を刑と爲す。惟だ金の木を沴すは五行の忌む所なり。願わくは陛下、躬を責め徳を修めて以て天變に謝せよと。
現代語訳
慶暦三年、帝は諫官を増やして言論の道を広げた。自筆で公の姓名を書いて右正言に任じた。公は感激して奮い立ち、事に出会えばそのつど言って避けることがなかった。この年、太白星が歳星を太微垣の端門の右で犯した。公はそれを論じて言った。「金と火の罰の星は、みな兵と喪と飢えを司ります。そもそも木を徳とし、金を刑とします。ただ金が木を害するのは、五行の忌むところです。どうか陛下、御身を責め徳を修めて、天の変異に応えられますように」。
解説
星の動きを、政の話に読み替えた条です。**金と火の罰の星は、みな兵と喪と飢えを司る。木を徳とし、金を刑とする。金が木を害するのは五行の忌むところだ。**刑が徳を害している、という図に置き換えています。天文の用語を使いながら、言っているのは**刑を減らして徳を修めよ**ということでした。**御身を責め徳を修めて、天の変異に応えられますように。**
この章句が説くこと
上諫官を増置して以て言路を開広す親筆もて公の姓名を書して右正言に除す木を徳と為し金を刑と為す惟だ金の木を沴すは五行の忌む所なり願わくは陛下躬を責め徳を修めて以て天変に謝せよ諫言天文解釈
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葉隠・聞書第一御縁組(ごえんぐみ)の時、何某(なにがし)一分(いちぶん)を申し達し候。この事、若き衆(しゅう)よく心得(こころえ)置くべき事なり。その身(み)気味(きみ)よく思うて、云(い)ふべき事を云うて腹切(はらき)りても本望(ほんもう)と思ふべし。よくよく了簡(りょうけん)候へ、何の益(えき)にも立たぬ事なり。我(われ)かやうの事を云うて腹切りても本望と思ふは、なるほど聞(きこ)えたり。曲者(くせもの)などと思ふは以(もっ)ての外(ほか)なる取違(とりちが)ひなり。まづ申し出でたる事その詮(せん)なく、我が身は引き取り、御養育(ごよういく)も仕(つかまつ)らず、追付(おっつ)け御死去(ごしきょ)なされ候に、御看病(ごかんびょう)も仕らず、残念千万(ざんねんせんばん)なり。気過(きす)ぎなる人は多分(たぶん)誤(あやま)る所なり。総(そう)じてその位(くらい)に至らずして諫言(かんげん)するは却(かえ)つて不忠(ふちゅう)なり。誠(まこと)の者ならば、我が存(ぞん)じ寄りたる事を似合(にあ)ひたる人に潜(ひそ)かに内談(ないだん)して、その人の思ひ寄りにさせて云へば、その事調(ととの)はるなり。これ忠節(ちゅうせつ)なり。もし、内談にてその人請(う)け合はずば、また外(ほか)の人にも内談し、とかく色々心遣(こころづか)ひをして、その事さへ調はるる様にすれば、大忠節(だいちゅうせつ)も知れぬ様にして居るものなり。幾人(いくにん)に内談しても、埒(らち)明かざる時は力に及ばず、その分(ぶん)にて打ち過ぎ、または起こし立て起こし立てすれば、多分叶(かな)ふものなり。我こそ曲者と云はるる名聞(みょうもん)ばかりにて、我が手柄(てがら)にするゆゑ調はざるなり。申し出でたる事益には立たず、人に難(なん)ぜられ、我が身を崩(くず)したる人数多(あまた)これあるなり。畢竟(ひっきょう)真(しん)の志(こころざし)なきゆゑなり。我が身を一向(いっこう)に捨て捨てて、主君の上(うえ)どうなりとも好き様にとさへ思へば、紛(まぎ)るる事はこれなく候なり。
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