宋名臣言行録 / 前集巻九・余靖
范文正以言事忤大臣貶知饒州諫官御史緘口避禍無敢言者公獨上書曰陛下親政以來三逐言事者矣若習以爲常不甚重惜恐鉗天下之口書既上落職監筠州酒税尹洙歐陽修相繼抗疏論列又以書讓諫官以得罪逺謫時天下賢士相與惜其去號爲四賢
新字:范文正以言事忤大臣貶知饒州諫官御史緘口避禍無敢言者公独上書曰陛下親政以来三逐言事者矣若習以為常不甚重惜恐鉗天下之口書既上落職監筠州酒税尹洙欧陽修相継抗疏論列又以書譲諫官以得罪遠謫時天下賢士相与惜其去号為四賢
書き下し
范文正、事を言いて大臣に忤い、貶せられて饒州を知る。諫官・御史、口を緘して禍を避け、敢えて言う者無し。公獨り書を上りて曰く、陛下、親政以来、三たび事を言う者を逐えり。若し習いて以て常と爲さば、甚だしくは重惜せず。恐らくは天下の口を鉗せんと。書既に上り、職を落とされて筠州の酒税を監す。尹洙・歐陽修、相い繼ぎて抗疏・論列す。又た書を以て諫官を讓む。以て罪を得て逺謫す。時に天下の賢士、相い與に其の去るを惜しみ、號して四賢と爲す。
現代語訳
范仲淹が意見を述べて大臣に逆らい、落とされて饒州の長官となった。諫官も御史も口を閉ざして禍いを避け、あえて物を言う者がなかった。公だけが書を上げて言った。「陛下は親政以来、三度も意見を述べた者を追いやられました。もしそれが慣れて当たり前になれば、深く惜しむこともなくなるでしょう。おそらく天下の口を塞ぐことになります」。書を上げて、職を落とされて筠州の酒税を監督する職になった。尹洙と欧陽脩が相次いで上疏して論じ立てた。さらに書状で諫官を責めた。それによって罪を得て遠く流された。当時、天下の賢い士たちは、その去るのを惜しみ合って、「四賢」と呼んだ。
解説
一人が落とされて、四人になった条です。二人目の理屈が要でした。**陛下は親政以来、三度も意見を述べた者を追いやられました。もしそれが慣れて当たり前になれば、深く惜しむこともなくなるでしょう。おそらく天下の口を塞ぐことになります。**回数を数えている。一度なら事件ですが、三度続けば慣例になります。そこを止めようとして、四人目まで落とされました。**天下の賢い士たちは「四賢」と呼んだ。**
この章句が説くこと
諫官御史口を緘して禍を避け敢えて言う者無し陛下親政以来三たび事を言う者を逐えり若し習いて以て常と為さば恐らくは天下の口を鉗せん直言慣例連座
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