宋名臣言行録 / 前集巻九・孫奭
真宗將西祀公上疏切諫以爲西祀有十不可其辭有云秦多徭役而劉項起於徒中唐不恤民而黄巢因於饑嵗今陛下好行幸數賦歛安知天下無劉項黄巢乎上乃自製辨疑論以解之仍遣中使慰諭焉
新字:真宗将西祀公上疏切諫以為西祀有十不可其辞有云秦多徭役而劉項起於徒中唐不恤民而黄巣因於饑歳今陛下好行幸数賦歛安知天下無劉項黄巣乎上乃自製弁疑論以解之仍遣中使慰諭焉
書き下し
真宗、將に西祀せんとす。公、疏を上りて切諫す。以爲えらく、西祀に十の不可有りと。其の辭に云う有り、秦、徭役多くして劉・項、徒中より起こる。唐、民を恤れまずして黄巢、饑嵗に因る。今、陛下、行幸を好み數々賦歛す。安んぞ天下に劉・項・黄巢無きを知らんやと。上、乃ち自ら辨疑論を製して以て之を解く。仍りて中使を遣わして慰諭せしむ。
現代語訳
真宗が西方で祀りを行おうとした。公は上疏して厳しく諫めた。西の祀りには十の不可がある、と考えた。その文にこういう言葉があった。「秦は労役が多くて、劉邦と項羽が人足の中から起こった。唐は民を憐れまなくて、黄巣が飢饉の年に乗じた。いま陛下は行幸を好み、しきりに賦課を取り立てておられます。天下に劉邦や項羽や黄巣がいないと、どうして分かりましょうか」。帝はそこで自ら「弁疑論」を作ってそれを解いた。そのうえ宦官の使者を遣わしてねぎらい諭させた。
解説
行幸を止めるのに、**王朝が倒れた例を三つ並べた**条です。労役と飢饉から、人足の中と飢えた年から、それぞれ王朝を倒す者が出た。そして現状を重ねます。**いま陛下は行幸を好み、しきりに賦課を取り立てておられます。**締めの一行がいちばん強い。**天下に劉邦や項羽や黄巣がいないと、どうして分かりましょうか。**いま名の無い誰かが、そうならない保証はない、と。
この章句が説くこと
秦徭役多くして劉項徒中より起こる唐民を恤れまずして黄巣饑歳に因る安んぞ天下に劉項黄巣無きを知らんや諫言歴史負担
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