宋名臣言行録 / 前集巻八・龎籍
至和三年以災異詔中外咸言得失公宻䟽曰太子天下本今陛下春秋固方盛然太子不豫建使四方無所係心願擇宗室之宜為嗣者蚤决之羣情既安則災異可塞矣
新字:至和三年以災異詔中外咸言得失公密䟽曰太子天下本今陛下春秋固方盛然太子不予建使四方無所係心願択宗室之宜為嗣者蚤決之羣情既安則災異可塞矣
書き下し
至和三年、災異を以て中外に詔して咸な得失を言わしむ。公、宻かに䟽して曰く、太子は天下の本なり。今、陛下の春秋、固より方に盛んなり。然れども太子、豫め建てずんば、四方をして心を係くる所無からしむ。願わくは宗室の宜しく嗣と為すべき者を擇びて、蚤く之を决せよ。羣情既に安んずれば、則ち災異塞ぐ可しと。
現代語訳
至和三年、災害と異変によって内外に詔を下し、みなに政の得失を述べさせた。公はひそかに上疏して言った。「太子は天下の本です。いま陛下の御年はもとより盛んです。しかし太子をあらかじめ立てなければ、四方の人に心を懸けるところがなくなります。どうか皇族の中で跡継ぎとすべき者を選んで、早くそれを決めてください。人々の心が落ち着けば、災害と異変もふさぐことができます」。
解説
得失を述べよという詔に、後継の話で答えた条です。触れにくい話題です。帝はまだ若く、健在でした。いま陛下の御年はもとより盛んです。それを認めたうえで、無いことの害を言います。太子をあらかじめ立てなければ、四方の人に心を懸けるところがなくなる。そして災異の話に戻して締めました。人々の心が落ち着けば、災害と異変もふさぐことができます。
この章句が説くこと
太子は天下の本なり然れども太子予め建てずんば四方をして心を係くる所無からしむ羣情既に安んずれば則ち災異塞ぐ可し後継諫言不安
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