宋名臣言行録 / 前集巻七・范仲淹
晏殊判南京公以大理寺丞丁憂權掌西監一日晏曰吾有女及笄仗君為我擇婿公曰監中有二舉子富皋張為善皆有文行他日皆至卿輔並可婿也晏曰然則孰優范曰富修謹張疎俊晏曰唯即取富為壻後改名即弼也為善後亦更名方平云
新字:晏殊判南京公以大理寺丞丁憂権掌西監一日晏曰吾有女及笄仗君為我択婿公曰監中有二舉子富皋張為善皆有文行他日皆至卿輔並可婿也晏曰然則孰優范曰富修謹張疎俊晏曰唯即取富為壻後改名即弼也為善後亦更名方平云
書き下し
晏殊、南京を判す。公、大理寺丞を以て憂に丁り、權に西監を掌る。一日、晏曰く、吾に女の笄に及ぶ有り。君に仗りて我が為に婿を擇べと。公曰く、監中に二舉子有り。富皋・張為善なり。皆な文行有り。他日、皆な卿輔に至らん。並びに婿とす可きなりと。晏曰く、然らば則ち孰れか優れると。范曰く、富は修謹、張は疎俊なりと。晏曰く、唯と。即ち富を取りて壻と為す。後に名を改め、即ち弼なり。為善も後に亦た名を更めて方平と云う。
現代語訳
晏殊が南京を管掌していた。公は大理寺丞であって喪に服し、かりに西監を掌っていた。ある日、晏殊が言った。「私に成人した娘がある。君に頼んで、私のために婿を選んでほしい」。公は言った。「監の中に二人の受験生がおります。富皋と張為善です。どちらも文章と行いがあります。いつかどちらも宰相・執政に至るでしょう。どちらも婿とすることができます」。晏殊は言った。「では、どちらが優れているか」。范仲淹は言った。「富は慎み深く整っており、張は大まかで抜きん出ています」。晏殊は「そうか」と言った。すぐに富を取って婿とした。後に名を改めて、それが富弼である。張為善も後に名を改めて張方平といった。
解説
婿を選んでくれ、と頼まれた条です。二人を挙げて、どちらでもよいと答えました。どちらが優れているかと重ねて聞かれたときの答えが、この条の要です。**富は慎み深く整っており、張は大まかで抜きん出ています。**優劣ではなく、質の違いだけを言っている。選ぶのは頼んだ側だ、という線が引かれています。晏殊は前者を取りました。二人ともこの後、宰相・執政になります。
この章句が説くこと
監中に二舉子有り皆な文行有り他日皆な卿輔に至らん然らば則ち孰れか優れる富は修謹張は疎俊なり人物眼推薦資質
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