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宋名臣言行録 / 前集巻七・范仲淹

公戒諸子曰吾貧時與汝母養吾親汝母躬執爨而吾親甘㫖未嘗充也今而得厚禄欲以養親親不在矣汝母又巳早世吾所最恨者忍令若曹饗富貴之樂也

新字:公戒諸子曰吾貧時与汝母養吾親汝母躬執爨而吾親甘旨未嘗充也今而得厚禄欲以養親親不在矣汝母又巳早世吾所最恨者忍令若曹饗富貴之楽也

書き下し

公、諸子を戒めて曰く、吾れ貧しき時、汝が母と吾が親を養う。汝が母、躬ら爨を執る。而して吾が親の甘㫖、未だ嘗て充たざるなり。今にして厚禄を得たり。以て親を養わんと欲するも、親在らず。汝が母も又た已に早世す。吾が最も恨む所の者は、忍びて若曹をして富貴の樂しみを饗けしむるなりと。

現代語訳

公は子らを戒めて言った。「私が貧しかったとき、おまえたちの母とともに私の親を養った。おまえたちの母は自分で竈を執った。それでも私の親の口に合うものは、ついに満ち足りなかった。いま厚い禄を得た。それで親を養おうと思っても、親はいない。おまえたちの母もまた早くに世を去った。私がいちばん心残りなのは、それに堪えて、おまえたちに富貴の楽しみを受けさせていることだ」。

解説

子への戒めが、詫びの形をしている条です。貧しかったころ、妻が自分で竈を執っても、親の口に合うものは満ち足りなかった。いま厚い禄を得たが、親はいない。妻も早くに世を去った。そして最後の一行です。私がいちばん心残りなのは、それに堪えて、おまえたちに富貴の楽しみを受けさせていることだ。豊かさを与えていること自体を、心残りだと言っています。

この章句が説くこと

吾れ貧しき時汝が母と吾が親を養う汝が母躬ら爨を執る今にして厚禄を得たり以て親を養わんと欲するも親在らず吾が最も恨む所の者は忍びて若曹をして富貴の楽しみを饗けしむるなり悔い孝富貴

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