宋名臣言行録 / 前集巻七・范仲淹
慶厯中議弛茶鹽之禁及減商税公以為不可茶鹽商税之入但分減商賈之利耳行於商賈未甚有害也今國用未減嵗入不可闕既不取之於山澤及商賈須取之於農與其害農孰若取之於商賈今為計莫若先省國用國用有餘當先寛賦役然後及商賈弛禁非所當先也其議遂寢
新字:慶厯中議弛茶塩之禁及減商税公以為不可茶塩商税之入但分減商賈之利耳行於商賈未甚有害也今国用未減歳入不可闕既不取之於山沢及商賈須取之於農与其害農孰若取之於商賈今為計莫若先省国用国用有余当先寛賦役然後及商賈弛禁非所当先也其議遂寝
書き下し
慶厯中、茶鹽の禁を弛め及び商税を減ずるを議す。公以て不可と為す。茶鹽・商税の入は、但だ商賈の利を分減するのみ。商賈に行うは未だ甚だしくは害有らざるなり。今、國用未だ減ぜず。歳入闕く可からず。既に之を山澤及び商賈に取らずんば、須らく之を農に取るべし。其の農を害せんよりは、孰れぞ之を商賈に取るに若かんや。今、計を為すには、先ず國用を省くに莫若かず。國用餘り有らば、當に先ず賦役を寛くすべし。然る後に商賈に及ばん。禁を弛むるは當に先にすべき所に非ざるなりと。其の議遂に寢む。
現代語訳
慶暦年間、茶と塩の専売を緩め、商税を減らすことが議された。公は不可とした。「茶と塩、商税の収入は、ただ商人の利を分けて減らすだけのことだ。商人に課しても、それほど害は無い。いま国の費えは減っていない。年の収入は欠かせない。もしそれを山や沢および商人から取らないなら、それは農民から取るしかない。農民を損なうよりは、商人から取るほうがよいのではないか。いま計を立てるなら、まず国の費えを省くに越したことはない。国の費えに余りが出れば、まず賦役を緩めるべきだ。その後で商人に及べばよい。専売を緩めるのは、まっさきにすべきことではない」。その議はそこで止んだ。
解説
減税案に反対した条です。理屈が引き算になっています。**国の費えは減っていない。年の収入は欠かせない。商人から取らないなら、農民から取るしかない。**どこかを減らせば、どこかが増える。だから順序を示しました。**まず国の費えを省く。余りが出れば、まず賦役を緩める。その後で商人に及べばよい。**減らす話をするなら、出るほうを先に、そして苦しい順に、と。
この章句が説くこと
既に之を山沢及び商賈に取らずんば須らく之を農に取るべし其の農を害せんよりは孰れぞ之を商賈に取るに若かんや先ず国用を省くに莫若かず国用余り有らば当に先ず賦役を寛くすべし税順序財政
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