宋名臣言行録 / 前集巻七・范仲淹
歐余王蔡為諌官時謂之四諌四人力引石介執政欲從之公為參政獨曰介剛正天下所聞然亦好異使為諌官必以難行之事責人君以必行少拂其意則牽裾折檻叩頭流血無所不為主上富春秋無失徳朝廷政事亦自修舉安用此諌官也諸公伏其言而罷
新字:欧余王蔡為諌官時謂之四諌四人力引石介執政欲従之公為参政独曰介剛正天下所聞然亦好異使為諌官必以難行之事責人君以必行少払其意則牽裾折檻叩頭流血無所不為主上富春秋無失徳朝廷政事亦自修舉安用此諌官也諸公伏其言而罷
書き下し
歐・余・王・蔡、諌官と為る。時に之を四諌と謂う。四人、力めて石介を引く。執政、之に從わんと欲す。公、參政と為り、獨り曰く、介は剛正、天下の聞く所なり。然れども亦た異を好む。諌官と為らしめば、必ず行い難きの事を以て人君に責むるに必行を以てす。少しく其の意に拂らば則ち裾を牽き檻を折り、叩頭して血を流し、為さざる所無からん。主上は春秋に富み、失徳無し。朝廷の政事も亦た自ら修舉す。安んぞ此の諌官を用いんやと。諸公、其の言に伏して罷む。
現代語訳
欧陽脩・余靖・王素・蔡襄が諫官であった。当時これを「四諫」と呼んだ。四人は力を尽くして石介を引き入れようとした。執政はそれに従おうとした。公は参知政事であって、一人だけ言った。「石介が剛直で正しいことは天下の知るところだ。しかし変わったことも好む。諫官にすれば、必ず行いがたい事を君主に求めて必ず実行せよと迫るだろう。少しでも自分の意に沿わなければ、衣の裾を引き、欄干を折り、頭を叩きつけて血を流し、しないことがなくなる。主上は年若く、徳を失うことがない。朝廷の政事もおのずと整っている。どうしてそういう諫官を用いる必要があろうか」。諸公はその言葉に服して取りやめた。
解説
味方の側から推された人を、一人だけ止めた条です。人物の評価は認めています。**石介が剛直で正しいことは天下の知るところだ。**そのうえで、その資質がこの場面でどう働くかを見ました。**少しでも意に沿わなければ、衣の裾を引き、欄干を折り、頭を叩きつけて血を流す。**そして状況を置きます。**主上は年若く徳を失うことがない。政事もおのずと整っている。**正しい人を、要らない場所に置かない、という判断です。
この章句が説くこと
介は剛正天下の聞く所なり然れども亦た異を好む少しく其の意に払らば則ち裾を牽き檻を折り叩頭して血を流す主上は春秋に富み失徳無し安んぞ此の諌官を用いんや適材場面人事
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