宋名臣言行録 / 前集巻六・程琳
章獻垂箔有方仲弓者上書乞依武氏故事立劉氏廟章獻覽其疏曰吾不作此負祖宗事裂而擲之於地仁宗在側曰此亦出於忠孝宜有以旌之乃以為開封府司錄及章獻崩黜為汀州司馬琳亦嘗有此請而人皆莫之知也上一日在邇英謂講官曰程琳心行不中在章獻朝嘗請立劉氏廟且獻七廟圖時王洙侍讀聞之然上性寛厚琳竟至宰相葢無宿怒也
新字:章献垂箔有方仲弓者上書乞依武氏故事立劉氏廟章献覧其疏曰吾不作此負祖宗事裂而擲之於地仁宗在側曰此亦出於忠孝宜有以旌之乃以為開封府司録及章献崩黜為汀州司馬琳亦嘗有此請而人皆莫之知也上一日在邇英謂講官曰程琳心行不中在章献朝嘗請立劉氏廟且献七廟図時王洙侍読聞之然上性寛厚琳竟至宰相葢無宿怒也
書き下し
章獻箔を垂る。方仲弓なる者有り。書を上りて武氏の故事に依りて劉氏の廟を立てんことを乞う。章獻、其の疏を覽て曰く、吾れ此の祖宗に負く事を作さずと。裂きて之を地に擲つ。仁宗、側に在りて曰く、此も亦た忠孝より出づ。宜しく以て之を旌す有るべしと。乃ち以て開封府司錄と為す。章獻の崩ずるに及び、黜けて汀州司馬と為す。琳も亦た嘗て此の請有り。而して人皆な之を莫知らざるなり。上、一日、邇英に在りて講官に謂いて曰く、程琳の心行は中らず。章獻の朝に在り、嘗て劉氏の廟を立てんことを請い、且つ七廟の圖を獻ずと。時に王洙、侍讀たり。之を聞く。然れども上の性は寛厚なり。琳、竟に宰相に至る。葢し宿怒無ければなり。
現代語訳
章献太后が簾を垂れて政を聴いていた。方仲弓という者があった。上書して、武后の先例に倣って劉氏の廟を立てるよう願い出た。章献はその上疏を見て言った。「私はこのような、祖宗に背く事はしない」。破って地に投げ捨てた。仁宗は傍らにいて言った。「これもやはり忠と孝から出たものです。表彰すべきでしょう」。そこで開封府の司録とした。章献が崩じたとき、退けて汀州司馬とした。程琳もかつて同じ願い出をしていた。しかし人はみなそれを知らなかった。帝はある日、邇英閣で講官に言った。「程琳の心と行いは正しくない。章献の朝廷にいたとき、劉氏の廟を立てるよう願い出て、そのうえ七廟の図まで献じた」。当時、王洙が侍読であった。それを聞いた。しかし帝の性質は寛やかで厚かった。程琳はけっきょく宰相にまで至った。積もる怒りを持たなかったからである。
解説
この章句が説くこと
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