宋名臣言行録 / 前集巻六・吕夷簡
公感風□天子憂甚手詔拜司空平章軍國重事三日一入中書公表固辭御府出萬金藥上剪髭賜公手詔曰古人有言髭可療疾雖無痊驗今朕剪髭合湯藥表予意也
新字:公感風□天子憂甚手詔拝司空平章軍国重事三日一入中書公表固辞御府出万金薬上剪髭賜公手詔曰古人有言髭可療疾雖無痊験今朕剪髭合湯薬表予意也
書き下し
公、風□を感ず。天子憂うること甚だし。手詔して司空・平章軍國重事を拜し、三日に一たび中書に入らしむ。公、表して固く辭す。御府、萬金の藥を出だす。上、髭を剪りて公に賜う。手詔して曰く、古人言える有り、髭は疾を療す可しと。痊験無しと雖も、今、朕、髭を剪りて湯藥に合わす。予が意を表するなりと。
現代語訳
公が中風にかかった。天子はひどく心配した。自筆の詔で司空・平章軍国重事に任じ、三日に一度中書省に入ればよいこととした。公は上表して固く辞退した。御府から万金の薬を出した。帝は自分の髭を切って公に賜った。自筆の詔にこう書いた。「古人の言葉に、髭は病を治せるというものがある。効いた例が無いとはいえ、いま私は髭を切って煎じ薬に合わせる。私の心を表すものだ」。
解説
皇帝が自分の髭を切って、薬に混ぜて贈った条です。詔の文面が正直でした。古人の言葉に、髭は病を治せるというものがある。効いた例が無いとはいえ——効くとは言っていません。いま私は髭を切って煎じ薬に合わせる。私の心を表すものだ。効き目のためではなく、心を表すためだと自分で言い切っている。万金の薬とは別に、この一つが贈られています。原文の□は四庫全書本の欠字です。
この章句が説くこと
上髭を剪りて公に賜う古人言える有り髭は疾を療す可し痊験無しと雖も今朕髭を剪りて湯薬に合わす予が意を表するなり見舞い心君臣
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