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言志四録 / 南洲手抄

取信於人難也。人不信於口、而信於躬。不信於躬、而信於心。是以難。

書き下し

信を人に取るは難し。人は口を信ぜずして躬を信ず。躬を信ぜずして心を信ず。是を以て難し。

現代語訳

人から信頼を得ることは難しい。人は言葉(口)を信じるのではなく、行い(躬)を信じる。いや、行いを信じるというより、その奥の心を信じる。だから信頼を得ることは難しいのだ。

解説

信頼の本質を三段で掘り下げた一条です。人は、うまい言葉では動かない。まず行動を見て信じ、さらにその行動の奥にある「心」を見て信じる。つまり、信頼とは言葉でも実績でもなく、最終的には動機の誠実さにかかっている——だからこそ得るのが難しい、というのです。口先の説明や、体裁だけの実績では、人の心は見抜いてしまう。信頼を築こうと発信や成果を急ぐ現代のリーダーに、問われているのは技術ではなく心根だと突きつける、厳しくも的確な洞察です。

この章句が説くこと

信頼言行誠実

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