宋名臣言行録 / 前集巻六・吕夷簡
公在中書奏令宋綬編次中書總例謂人曰自吾有此例使一庸夫執之皆可以為相矣
新字:公在中書奏令宋綬編次中書総例謂人曰自吾有此例使一庸夫執之皆可以為相矣
書き下し
公、中書に在り、奏して宋綬をして中書總例を編次せしむ。人に謂いて曰く、吾に此の例有りしより、一庸夫をして之を執らしむるも、皆な以て相と為る可しと。
現代語訳
公は中書省にいて、奏上して宋綬に『中書総例』を編纂させた。人に言った。「私にこの例集ができてからは、一人の凡庸な者にこれを持たせても、みな宰相が務まる」。
解説
三十四字の条です。前例集を作らせて、こう言いました。私にこの例集ができてからは、一人の凡庸な者にこれを持たせても、みな宰相が務まる。自慢とも、皮肉とも読めます。ただ実際に、判断のよりどころを文書に落として誰でも引けるようにする、というのは仕事の形を変える手です。前に寇準が「先例を調べるなら私たちを使う意味がどこにある」と怒ったのと、ちょうど反対側に立っています。
この章句が説くこと
奏して宋綬をして中書総例を編次せしむ吾に此の例有りしより一庸夫をして之を執らしむるも皆な以て相と為る可し標準前例引き継ぎ
関連する章句
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『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦中書は舊□に習い、事毎に必ず例を用う。五房の史、例を操りて手に在り、金錢を顧みて惟だ意の去取する所のままにす。與えんと欲する所は白げて之を舉用し、行わんと欲せざる所は或いは例を匿して見せず。公、五房の例及び刑房の斷例を刪取し、其の冗繆にして用う可からざる者を除き、綱目と爲して之を類次し、封縢して謹しみ掌り、例を用うる毎に必ず自ら閲す。是れより人、賞罰可否の宰相より出づるを知り、五房の史、其の間に髙下するを得ず。
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『宋名臣言行録』前集巻二・呂端公相と為り、持重にして大體を識る。清靜簡易を以て務めと為す。奏對する毎に同列多く異議あり。公建明する所罕なり。一日、内より手札を出だして戒めて曰く、今より中書の事、必ず呂端の詳酌を經て乃ち聞奏するを得と。公讓りて敢えて當たらず。
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『宋名臣言行録』前集巻四・冦凖章聖、嘗て兩府に謂いて、一人を擇びて馬步軍指揮使と為さんと欲す。公方に其の事を議す。吏の文籍を以て進むる者有り。公其の故を問う。曰く、例簿なりと。公曰く、今、朝廷、一牙官を用いんと欲す。尚お例を檢するを須つか。安んぞ我輩を用いんや。國政を壊る者は、正に此に由るのみと。
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『宋名臣言行録』前集巻六・吕夷簡祥符の末、王沂公、知制誥たり。朝望日に重し。一日、中書に至りて王文正公に見ゆ。公問う、君、一の吕夷簡を識るや否やと。沂公曰く、識らざるなりと。文正曰く、此の人、異日、舍人と對して鈞軸を秉らんと。沂公曰く、何を以て之を知るやと。曰く、吾も亦た識らず。但だ其の奏請を以て之を得たりと。沂公曰く、奏請は何事ぞと。曰く、農器に税せざる等の數事の如しと。卒に沂公と並び相たり。
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『智囊』詰奸・韓琦中書は旧弊に習い、事毎に必ず例を用う。五房の吏は例を手に操り、金銭を顧みて意の去取する所に唯う。与えんと欲すれば即ち検して之を行い、欲せざる所は、或いは例を匿して見えず。韓魏公は五房の例及び刑房の断例を刪取し、其の冗謬にして用う可からざる者を除き、綱目を為して之を類次し、封謄して謹んで掌り、例を用うる毎に必ず自ら閲す。是より人は始めて賞罰可否の宰相に出ずるを知り、五房の吏は其の間に高下するを得ず。〔馮述評〕「例」の一字は、庸人の利とする所にして、豪傑の悲しむ所なり。例を用うるは已に非なり、況んや吏の操縦に由り、并びに例も亦た公道に非ざるをや。寇萊公、相と為りし時、章聖は両府に語りて一人を擇び馬歩軍指揮使と為さしむ。公方に擬議するに、門吏の文籍を以て進むる者有り。之を問うに、曰く、「例簿なり」と。公は叱して曰く、「朝廷の一牙官を用いんと欲するにも、尚お一例を須つ。又何ぞ我が輩を用いんや。国政を戕壊する者は正に此れのみ」と。今日は事事に例を為す。萊公たること能わず。魏公たること能うは、其れ庶からんか。
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『宋名臣言行録』後集巻一・韓琦又た曰く、沂公の相と爲るや、其の事を論ずれば則ち數う可き者無し。其の人を論ずれば則ち天下之を信じて以て賢相と爲す。申公は賢を進むるを以て自ら任じ、恩は己に歸す。時の士は皆其の籠絡より出づ。獨り歐・范・尹のみ旋ち收め旋ち之を失い、終に其の籠絡を受けずと。

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