宋名臣言行録 / 前集巻二・呂端
公為相持重識大體以清靜簡易為務每奏對同列多異議公罕所建明一日内出手札戒曰自今中書事必經吕端詳酌乃得聞奏公讓不敢當
新字:公為相持重識大体以清静簡易為務毎奏対同列多異議公罕所建明一日内出手札戒曰自今中書事必経呂端詳酌乃得聞奏公譲不敢当
書き下し
公相と為り、持重にして大體を識る。清靜簡易を以て務めと為す。奏對する毎に同列多く異議あり。公建明する所罕なり。一日、内より手札を出だして戒めて曰く、今より中書の事、必ず呂端の詳酌を經て乃ち聞奏するを得と。公讓りて敢えて當たらず。
現代語訳
公が宰相となると、落ち着いて重々しく、大筋をわきまえていた。静かで簡素であることを務めとした。奏上のたび、同僚たちはしばしば異なる意見を出した。公が自分から意見を立てることはまれだった。ある日、内から手書きの札が出されて戒められた。「今後、中書省の事は、必ず呂端の詳しい検討を経てから奏上せよ」。公は辞退して、あえて引き受けようとしなかった。
解説
会議でほとんど自分から言わない宰相を、皇帝のほうが困って制度で押さえた条です。**今後、中書省の事は必ず呂端の検討を経てから奏上せよ。**同僚が異議を出しても公は自説を立てない。それで最終的な関門を彼に置く、と決めたわけです。ところが本人は辞退します。押しの弱さと見るか、大筋だけを押さえる型と見るか。前の条の「小事にはぼんやり、大事にはぼんやりでない」が、日常の姿としてはこう見えていた、という記録です。
この章句が説くこと
今より中書の事必ず呂端の詳酌を経て乃ち聞奏するを得清静簡易を以て務めと為す公建明する所罕なり公譲りて敢えて当たらず会議大局役割
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