宋名臣言行録 / 前集巻五・蔡齊
真宗好文雖以文辭取士然必視其形神器識或取其所試文辭有理趣者徐奭鑄鼎象物賦云足惟下正詎聞公餗之欹傾鉉乃上居實取王臣之威重齊置器賦云安天下于覆盂其功可大皆以為第一
新字:真宗好文雖以文辞取士然必視其形神器識或取其所試文辞有理趣者徐奭鋳鼎象物賦云足惟下正詎聞公餗之欹傾鉉乃上居実取王臣之威重斉置器賦云安天下于覆盂其功可大皆以為第一
書き下し
真宗は文を好む。文辭を以て士を取ると雖も、然れども必ず其の形神・器識を視る。或いは其の試みる所の文辭の理趣有る者を取る。徐奭の鑄鼎象物の賦に云う、足は惟だ下に正し、詎ぞ公餗の欹傾するを聞かん、鉉は乃ち上に居り、實に王臣の威重を取ると。齊の置器の賦に云う、天下を覆盂に安んず、其の功大なる可しと。皆な以て第一と為す。
現代語訳
真宗は文を好んだ。文辞によって士を採るとはいえ、それでも必ずその容姿と気配、器量と見識を見た。あるいはその試験の文辞で、道理と趣のあるものを採った。徐奭の「鋳鼎象物の賦」にはこうあった。「足はただ下でまっすぐに立っている、どうして鼎の中身がこぼれると聞くだろうか。鉉は上に居て、まことに王臣の威と重みを表している」。蔡斉の「置器の賦」にはこうあった。「天下を伏せた鉢の上に安んずる、その功は大きいというべきだ」。どちらも第一位とした。
解説
首席にした二篇の、決め手の句を並べた条です。**足は下でまっすぐ立っている、鉉は上に居て王臣の威と重みを表している。**鼎の脚と持ち手を、下と上の役割に読み替えています。もう一篇は**天下を伏せた鉢の上に安んずる。**どちらも器の話を、そのまま国と臣の話にしている。文の巧拙ではなく、**その人が何を国のことに引きつけて読んだか**を見て採っていました。
この章句が説くこと
文辞を以て士を取ると雖も然れども必ず其の形神器識を視る足は惟だ下に正し鉉は乃ち上に居り実に王臣の威重を取る天下を覆盂に安んず其の功大なる可し選考比喩器識
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