宋名臣言行録 / 前集巻五・李迪
公在翰林仍嵗旱蝗國用不給一日歸沐忽傳詔對内東門上出三司所上嵗出入財用數問何以濟公曰祖宗初置内藏庫欲復西北故土及以支凶荒今邉無他費陛下用此以佐國用賦歛寛民不勞矣上曰今當出金帛數萬借三司公曰天子于財無内外願下詔賜三司以顯示徳澤何必曰借上悦
新字:公在翰林仍歳旱蝗国用不給一日帰沐忽伝詔対内東門上出三司所上歳出入財用数問何以済公曰祖宗初置内蔵庫欲復西北故土及以支凶荒今邉無他費陛下用此以佐国用賦歛寛民不労矣上曰今当出金帛数万借三司公曰天子于財無内外願下詔賜三司以顕示徳沢何必曰借上悦
書き下し
公、翰林に在り。仍歳、旱蝗あり。國用給せず。一日、歸沐す。忽ち詔を傳え、内東門に對す。上、三司の上る所の歳の出入財用の數を出だし、何を以て濟わんかと問う。公曰く、祖宗、初め内藏庫を置くは、西北の故土を復し、及び以て凶荒を支えんと欲すればなり。今、邉に他費無し。陛下、此を用いて以て國用を佐けば、賦歛寛やかにして民勞せざらんと。上曰く、今、當に金帛數萬を出だして三司に借すべしと。公曰く、天子、財に于いて内外無し。願わくは詔を下して三司に賜い、以て徳澤を顯示せよ。何ぞ必ずしも借すと曰わんやと。上悦ぶ。
現代語訳
公は翰林にいた。数年続けて旱魃と蝗の害があった。国庫が足りなかった。ある日、休沐で家に帰っていた。突然詔が伝えられ、内東門で拝謁した。帝は三司が提出した年間の収支の数字を出して、どうやって救うかと尋ねた。公は言った。「祖宗がはじめ内蔵庫を置かれたのは、西北の旧領を回復するため、そして凶作を支えるためです。いま辺境に他の出費はありません。陛下がこれを使って国用を助ければ、税の取り立ては緩やかになり、民は苦しみません」。帝は言った。「では金と絹を数万、出して三司に貸そう」。公は言った。「天子には、財に内も外もありません。どうか詔を下して三司に賜り、恩沢をはっきりお示しください。どうして貸すなどとおっしゃる必要がありましょう」。帝は喜んだ。
解説
皇帝の私財を国庫に回させた条です。まず、その蔵はもともと何のために置かれたかを確かめました。**西北の旧領を回復するため、そして凶作を支えるため。**いまは凶作です。そのうえで、帝が「貸そう」と言ったところを直しています。**天子には、財に内も外もありません。貸すなどとおっしゃる必要がありましょうか。**同じ金の動きを、貸借から下賜へ言い換えただけで、意味が変わりました。
この章句が説くこと
祖宗初め内蔵庫を置くは西北の故土を復し及び以て凶荒を支えんと欲すればなり天子財に于いて内外無し願わくは詔を下して三司に賜い以て徳沢を顕示せよ財政名分下賜
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