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宋名臣言行録 / 前集巻四・冦凖

上既回鑾每歎公之功小人或譛之曰陛下知博乎錢輸將盡取其餘盡出之謂之孤注陛下冦凖之孤注也尚何念帝聞之驚甚公眷禮遂衰

新字:上既回鑾毎嘆公之功小人或譛之曰陛下知博乎銭輸将尽取其余尽出之謂之孤注陛下寇凖之孤注也尚何念帝聞之驚甚公眷礼遂衰

書き下し

上既に回鑾す。毎に公の功を歎ず。小人或いは之を譛りて曰く、陛下、博を知るか。錢輸して將に盡きんとするに、其の餘を取りて盡く之を出だす。之を孤注と謂う。陛下は冦凖の孤注なり。尚お何をか念わんと。帝之を聞きて驚くこと甚だし。公の眷禮遂に衰う。

現代語訳

帝が都に帰った。そのたび公の功を讃嘆した。小人がそれを讒言して言った。「陛下は博打をご存じですか。銭を出し尽くして残り少なくなったとき、その残りを全部つぎ込むことがあります。これを孤注と申します。陛下は寇準の孤注だったのです。まだ何を思われるのですか」。帝はそれを聞いてひどく驚いた。公への寵愛と礼遇は、それきり衰えた。

解説

一つの喩えだけで、最大の功を最大の危険に反転させた条です。博打で残った銭を全部つぎ込むのを孤注という、陛下は寇準の孤注だったのです。事実は何一つ変えていません。同じ澶淵行幸を、命がけの決断ではなく賭けの張り札として言い直しただけです。帝はひどく驚き、礼遇はそれきり衰えました。言ったのは、前の条で最前線へ送り出された当人です。

この章句が説くこと

陛下は寇凖の孤注なり銭輸して将に尽きんとするに其の余を取りて尽く之を出だす之を孤注と謂う公の眷礼遂に衰う讒言言い換え功績

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