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宋名臣言行録 / 前集巻四・冦凖

太宗時公為員外郎奏事忤上㫖上拂衣起欲入禁中公手引上衣令上復坐決其事然後退上由是嘉之嘗曰朕得冦凖猶唐文皇之得魏鄭公也

新字:太宗時公為員外郎奏事忤上旨上払衣起欲入禁中公手引上衣令上復坐決其事然後退上由是嘉之嘗曰朕得寇凖猶唐文皇之得魏鄭公也

書き下し

太宗の時、公、員外郎と為る。事を奏して上㫖に忤う。上、衣を拂いて起ち、禁中に入らんと欲す。公、手ずから上の衣を引き、上をして復た坐して其の事を決せしめ、然る後に退く。上是に由りて之を嘉す。嘗て曰く、朕、冦凖を得たるは、猶お唐の文皇の魏鄭公を得たるがごときなりと。

現代語訳

太宗の時、公は員外郎であった。奏上して帝の意に逆らった。帝は袖を払って立ち上がり、奥へ入ろうとした。公は手ずから帝の衣を引き、帝をもう一度坐らせてその件を決めさせ、そのうえで退出した。帝はこれによって公を褒めた。かつて言った。「私が寇準を得たのは、唐の太宗が魏徴を得たようなものだ」。

解説

立ち去ろうとした皇帝の衣を、手で引いて坐らせた条です。引き戻して、その件を決めさせてから退出した。逃げられた時点で議題は宙に浮きます。物理的に止めるところまでやった、というのがこの一条の中身です。帝はそれを咎めるどころか、唐の太宗が魏徴を得たようなものだ、と言いました。前に出てきた銭若水が「一人残って去らなかった」のと同じ型を、もう一歩進めています。

この章句が説くこと

公手ずから上の衣を引き上をして復た坐して其の事を決せしむ上衣を払いて起ち禁中に入らんと欲す朕寇凖を得たるは猶お唐の文皇の魏鄭公を得たるがごとし諫言決着粘り

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