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宋名臣言行録 / 前集巻三・曹瑋

天雄卒有犯法衆謂獄具必殺之公乃處以常法或以為疑公笑曰臨邉對敵斬不用命者所以令衆吾非喜殺也平時治内郡安事此乎初守邉時山東知名士賈同造公客外舍公欲按邉即同舍邀與俱同問從兵安在曰已具既出就騎見甲士三千環列不聞人馬聲同歸語人曰瑋果名將也公為將不如其父寛然自為一家云

新字:天雄卒有犯法衆謂獄具必殺之公乃処以常法或以為疑公笑曰臨邉対敵斬不用命者所以令衆吾非喜殺也平時治内郡安事此乎初守邉時山東知名士賈同造公客外舎公欲按邉即同舎邀与倶同問従兵安在曰已具既出就騎見甲士三千環列不聞人馬声同帰語人曰瑋果名将也公為将不如其父寛然自為一家云

書き下し

天雄の卒、法を犯す者有り。衆、獄具わらば必ず之を殺さんと謂う。公乃ち處するに常法を以てす。或ひと以て疑いと為す。公笑いて曰く、邉に臨み敵に對して、命を用いざる者を斬るは、衆に令する所以なり。吾れ殺すを喜ぶに非ざるなり。平時に内郡を治むるに、安んぞ此を事とせんやと。初め邉を守る時、山東の知名の士賈同、公を造る。外舍に客たり。公、邉を按ぜんと欲す。即ち同に邀えて與に俱にす。同、從兵は安くに在りやと問う。曰く、已に具わると。既に出でて騎に就く。甲士三千の環列するを見るも、人馬の聲を聞かず。同歸りて人に語りて曰く、瑋は果たして名將なりと。公の將と為るは、其の父の寛然として自ら一家を為すに如かずと云う。

現代語訳

天雄の兵に法を犯す者があった。人々は、取り調べが整えばきっと殺すだろうと思った。公はところが通常の法に従って処置した。ある者がそれを不審に思った。公は笑って言った。「辺境に臨んで敵に対しているときに、命令に従わない者を斬るのは、全軍に令を行き渡らせるためだ。私は殺すのが好きなのではない。平時に内地の郡を治めるのに、どうしてそんなことをする必要があろう」。はじめ辺境を守っていたころ、山東の名の知れた士である賈同が公を訪ねた。外の宿舎に泊まった。公が国境を検分しようとした。そこで賈同を誘って一緒に行った。賈同は「従う兵はどこにいるのですか」と尋ねた。「もう揃っている」と答えた。外へ出て馬に乗ると、甲冑の兵三千が取り囲んで並んでいるのに、人の声も馬の音も聞こえなかった。賈同は帰って人に語った。「曹瑋はまことに名将だ」。ただ公が将としては、その父が寛やかで一家を成していたのには及ばない、と言われている。

解説

前の条で矢除けの板一つで人を斬った同じ人が、平時には通常の法で処置した条です。理由が明快でした。**辺境で命令に従わない者を斬るのは、全軍に令を行き渡らせるためだ。私は殺すのが好きなのではない。平時に内地でそんなことをする必要があろうか。**厳しさを場所と時で使い分けています。後半は三千の兵が声も立てずに並んでいた話。締めに、それでも父の曹彬には及ばない、と付いています。

この章句が説くこと

邉に臨み敵に対して命を用いざる者を斬るは衆に令する所以なり吾れ殺すを喜ぶに非ざるなり平時に内郡を治むるに安んぞ此を事とせんや甲士三千の環列するを見るも人馬の声を聞かず厳格使い分け規律

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