宋名臣言行録 / 前集巻三・馬知節
公與同列奏對次忽厲聲曰王欽若等讀盡劄子莫謾官家公退見王文正詞色尚怒因語公曰諸子上前議論如此知節幾欲以笏擊死之但恐驚動君相耳公歎撫乆之
新字:公与同列奏対次忽厲声曰王欽若等読尽劄子莫謾官家公退見王文正詞色尚怒因語公曰諸子上前議論如此知節幾欲以笏擊死之但恐驚動君相耳公嘆撫乆之
書き下し
公、同列と奏對する次、忽ち厲聲して曰く、王欽若等、劄子を讀み盡くせ。官家を謾る莫かれと。公退きて王文正に見ゆ。詞色尚お怒る。因りて公に語りて曰く、諸子上前の議論此くの如し。知節、幾んど笏を以て之を擊ち死せしめんと欲す。但だ君相を驚動せんことを恐るるのみと。公歎撫すること之を乆しくす。
現代語訳
公が同僚と奏上しているさなか、突然に声を荒らげて言った。「王欽若ら、書面を最後まで読み尽くせ。主上を欺くな」。公は退出して王旦に会った。言葉つきも顔つきもまだ怒っていた。そこで王旦に言った。「あの者たちの御前での議論はこのとおりです。私はもう少しで笏で打ち殺してやりたかった。ただ、主上と宰相を驚かせてしまうことを恐れただけです」。王旦は長いあいだ嘆じて、その背をなでた。
解説
前の条と同じ相手に、こんどは声を荒らげた条です。**書面を最後まで読み尽くせ、主上を欺くな。**御前でこれを言っています。退出後の言葉がさらに直截でした。もう少しで笏で打ち殺してやりたかった、ただ主上と宰相を驚かせるのを恐れただけだ、と。王旦は長いあいだ嘆じて背をなでました。止めもせず、褒めもしていません。
この章句が説くこと
王欽若等劄子を読み尽くせ官家を謾る莫かれ知節幾んど笏を以て之を擊ち死せしめんと欲す但だ君相を驚動せんことを恐るるのみ憤り自制直言
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